金融商品取引法改正案を閣議決定——課徴金引き上げ・暗号資産インサイダー規制を新設

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金融商品取引法改正案を閣議決定——課徴金引き上げ・暗号資産インサイダー規制を新設

政府は2026年4月10日の閣議で、悪質なインサイダー取引や相場操縦に対する課徴金の引き上げ、そして暗号資産(仮想通貨)を金融商品取引法(金商法)の規制対象に加えることを盛り込んだ金商法改正案を決定しました。 今回の改正案では、悪質なインサイダー取引や相場操縦に対する課徴金の引き上げを盛り込みました。

政府は2026年4月10日の閣議で、悪質なインサイダー取引や相場操縦に対する課徴金の引き上げ、そして暗号資産(仮想通貨)を金融商品取引法(金商法)の規制対象に加えることを盛り込んだ金商法改正案を決定しました。近年、金融界で不祥事が相次いだことを重くみた規制強化であり、急速に拡大する暗号資産市場への対応も急務となっていました。

東京証券取引所(東証)の元社員によるインサイダー取引事件は、金融市場の信頼を根底から揺るがす問題として大きな衝撃を与えました。2024年1月から3月にかけて、東証の上場部開示業務室に所属していた元社員が、業務で知ったTOB(株式公開買い付け)に関する未公表情報を実父に漏えいし、実父はその情報をもとに株式を不正購入しました。さらに、金融庁に出向中だった元裁判官が10件にのぼるTOB情報をもとに不正取引を行っていた事実も明らかになりました。2025年3月には三井住友信託銀行の元部長が同法違反で在宅起訴されるなど、市場の公正を守る側に立つはずの人物による不祥事が立て続けに発覚したことで、規制強化は待ったなしの課題となっていました。

改正案の柱①——悪質な不正取引への課徴金引き上げと罰則強化


今回の改正案では、悪質なインサイダー取引や相場操縦に対する課徴金の引き上げを盛り込みました。課徴金(かちょうきん)とは、法律に違反した者に対して国が行政的に課すペナルティで、違反によって得た利益相当額をもとに算出されます。現行の金商法は、インサイダー取引をした者に対して「5年以下の拘禁刑か500万円以下の罰金、またはその両方」を定めていますが、特に課徴金の水準については実効性に疑問の声がありました。悪質な行為に対して経済的な不利益を大幅に引き上げることで、不正への抑止力を高める狙いがあります。

また、証券取引等監視委員会(証監委)の調査権限も強化されます。インサイダー取引事件においてより迅速かつ広範に調査を進められるよう、犯則調査権限を整備するとともに体制を拡充します。企業の情報管理と自主規制の強化も改正案に盛り込まれており、再発防止に向けた取り組みを法律として後押しします。

改正案の柱②——暗号資産を金商法の規制対象へ、インサイダー規制を新設


もう一つの大きな柱が、暗号資産の金商法への組み込みです。現在、暗号資産は「資金決済に関する法律(資金決済法)」によって規制されていますが、同法はビットコインが登場した当初のように「決済手段」としての性格を前提とした枠組みであり、投資対象として急拡大してきた実態とのズレが生じていました。

改正案では、暗号資産の発行事業者の破産や重要な決定など投資判断に重大な影響を与える未公表情報を知りながら取引することを禁止するインサイダー規制が新設されます。無登録で暗号資産を販売するといった違反行為には10年以下の拘禁刑か1000万円以下の罰金、またはその両方が科されます。これは株式等の現行の最高刑(5年以下・500万円以下)より重い水準で、暗号資産市場の急拡大に伴うリスクを重視した対応となっています。

SNS上でも今回の改正案に様々な意見が上がっています。

「東証の社員がインサイダーをやる国の規制が甘すぎた。課徴金引き上げは当然だ」
「仮想通貨にインサイダー規制ができるのは遅かったくらい。ようやく追いついた感じ」
「暗号資産の税率が最大55%なのに規制だけ強化されるのは順序がおかしい」
「市場を守るはずの人間が不正をやる。罰則が軽いから後を絶たないんだよ」
「金商法の規制対象になることで暗号資産が本格的な投資商品として認められる一歩になる」

税制改正とのセット——2028年に向けた暗号資産の制度整備


暗号資産を巡っては、税制面でも大きな変化が迫っています。現行では暗号資産取引から生じた利益は「雑所得」として総合課税の対象となり、住民税を含めた最高税率は約55%と国際的に突出して高い水準です。株式や投資信託の約20%という税率との格差は、投資家が日本市場を敬遠する一因とされてきました。

2026年度税制改正大綱では、金商法改正を前提として暗号資産取引の利益を約20%の申告分離課税の対象とし、3年間の損失繰越控除も認める方向で議論が進んでいます。今回の金商法改正案が成立・施行されれば、2028年1月から新税制が適用される見通しです。健全な取引環境の整備と税制の適正化を一体的に進めることで、日本の暗号資産市場の健全な発展を後押しする狙いがあります。

まとめ
  • 政府は2026年4月10日、金融商品取引法(金商法)改正案を閣議決定した
  • 悪質なインサイダー取引・相場操縦への課徴金を引き上げ、抑止力を強化
  • 証券取引等監視委員会の調査権限と体制を拡充する
  • 東証元社員・金融庁出向中の元裁判官・三井住友信託銀行元部長の不祥事相次ぎが背景
  • 暗号資産を金商法の規制対象に追加し、インサイダー取引規制を新設
  • 発行事業者の破産など未公表情報を知りながらの取引を禁止
  • 違反行為に対し、最大「10年以下の拘禁刑か1000万円以下の罰金またはその両方」を科す
  • 金商法改正の成立・施行を前提に、2028年1月から暗号資産の約20%申告分離課税が適用見通し

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2026-04-10 11:42:35(植村)

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