2025-04-24 コメント: 1件 ▼
東京都教委、「モンスターペアレンツ」対応マニュアル策定へ 教職員のストレス軽減目指す
都教委、モンスターペアレンツ対応マニュアル策定へ
東京都教育委員会は24日、教職員に対して高圧的な態度や過剰な要求を行ういわゆる「モンスターペアレンツ」への対応マニュアルを策定するため、有識者会議を設置すると発表した。有識者会議は5月9日に設置され、今年度中に対策をまとめる方針だ。これにより、教職員と保護者との良好な関係の構築と、働きやすい教育現場の実現を目指す。
専門家による有識者会議設置、12月に報告書まとめ
都教委が設置する有識者会議は、教育学を専門とする大学教授や教育問題に精通した弁護士ら7人で構成される。教職員へのアンケート調査結果や保護者からの聞き取りを参考にしながら、具体的な対処方法や教職員のメンタルケアについて議論を進める予定だ。会議は年内に報告書をまとめ、その内容をマニュアルに反映させる計画となっている。
都教委相談窓口にも寄せられる悩み、条例施行で対応強化
都教委の教職員専用相談窓口には、日常的に保護者対応に関する悩みが寄せられている。こうした背景もあり、東京都は今月施行された「カスタマーハラスメント防止条例」において、保護者による不当な要求も「カスハラ行為」と明記。これを受け、都教委は現場で即座に役立つ具体的な対応マニュアルを策定する必要性を強く認識した。
教職員の16%が「保護者対応」に強いストレス
公立学校共済組合が2022年度に実施したストレスチェックによれば、全国の公立学校における教職員のうち、高いストレス状態と判定された約3万7000人の16%が「保護者対応」を主なストレス要因に挙げている。保護者対応による精神的負担は深刻な問題となっており、離職や心身不調を招くケースも少なくない。
要点まとめ
- 東京都教育委員会がモンスターペアレンツ対応マニュアル策定へ有識者会議を設置
- 教育学者や弁護士ら7人が参加し、今年度中に対策をまとめる方針
- 都のカスタマーハラスメント防止条例施行を受け、対応強化を急ぐ
- 2022年度の全国ストレスチェックで、教職員の16%が「保護者対応」によるストレスを訴え
今後の見通し
都教委は12月に報告書をまとめるとしており、2025年3月までにはマニュアルを完成させ、各学校に配布する見込みだ。教職員の負担軽減と教育現場の健全化に向けた取り組みが、全国の自治体にも波及するか注目される。