2025-04-25 コメント投稿する ▼
67年越しの「出自を知る権利」認める 小池知事、実親調査命令を受け入れ謝罪へ
67年越しに届いた「出自を知る権利」
東京地裁は今回、「子どもの『出自を知る権利』は憲法13条で保障される重要な権利だ」と判断。親子関係の根幹に関わる問題であり、たとえ長い年月が経過しても、生物学上の親が存命であるか否かにかかわらず、その権利は失われないと明言した。
判決は、江蔵さんの出生時期や戸籍の記録、当時の産院の管理体制などをもとに、都に対して「可能な限り実親を特定するための調査」を行うよう命じた。これにより、江蔵さんは、自らの「本当の出自」を知る権利を67年越しに認められることになった。
小池知事「責任持って調査」
小池知事は25日の会見で、「厳粛に受け止める」とコメント。江蔵さんをはじめとする関係者への謝罪の言葉を繰り返し、東京都として速やかに戸籍や住民票の調査を行い、実親の特定に向けて全力を尽くす方針を示した。
江蔵さん側の弁護士も「67歳という年齢を考えれば、時間との戦いだ」と指摘。都には、迅速で丁寧な対応が求められる。
画期的な判決、全国に波及の可能性
今回の判決は、日本の司法が初めて本格的に「出自を知る権利」に踏み込んだ点で、大きな注目を集めている。これまでは、養子縁組や精子・卵子提供による出生に関連して議論されることはあったが、取り違え被害において憲法レベルで権利を認めたのは異例だ。
専門家からは「第三者提供による生殖医療の進展を受け、国として出自をめぐる法整備を急ぐべきだ」との声も出ている。取り違えだけでなく、代理出産や卵子提供など、親子関係が多様化する時代において、「出自を知る権利」をどう守っていくかが、今後の大きな課題になりそうだ。
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