2025-04-01 コメント: 1件 ▼
東京都、多文化共生社会の実現へ「やさしい日本語」を普及
■ 東京都の多文化共生推進指針改定案
東京都は、2050年を見据えた「東京都多文化共生推進指針」の改定案を策定し、都民からの意見募集を開始した。この改定案では、以下の施策目標が掲げられている。
- 都民の役割:
地域や学校、職場での交流を通じ、やさしい日本語を用いて外国人住民とコミュニケーションを図る。これにより、多様性を尊重し、共生社会を築く意識を醸成する。
- 企業の役割:
外国人を重要な人材と位置づけ、採用・育成を推進。多様性を尊重した職場環境の整備や、日本語学習の支援を行う。
- 学校の役割:
外国人児童・生徒への日本語指導や、異文化理解を深める教育を推進する。
■ 「やさしい日本語」の普及と意義
「やさしい日本語」は、外国人だけでなく、高齢者や障がい者とのコミュニケーションにも有効である。東京都では、災害時の情報伝達手段として生まれたこの言葉を、日常生活での外国人支援や地域活性化のために活用している。
例えば、台東区では、外国人住民とのコミュニケーションブックを作成し、町会の案内や地域活動への参加を促進している。これにより、多くの外国人が地域活動に参加し、コミュニケーションの促進や地域活性化が図られている。
■ 専門家の指摘と課題
一方で、日本の有識者や文化庁の文化審議会答申では、やさしい日本語の使用が情緒力や論理的思考力の低下を招く可能性が指摘されている。深い思考を促すためには、豊かな語彙の使用が重要であり、やさしい日本語の普及には慎重な検討が必要とされている。