2025-12-09 コメント投稿する ▼
小池百合子都知事が米軍司令官に再発防止要請、児童館パラシュート落下で訓練停止求める
小池百合子東京都知事が会長を務める同協議会は、福生市の熊川児童館屋上で発見されたパラシュートが米軍兵士によるものだったと確認されたことを受け、「一歩間違えれば人命に関わる重大な事故につながりかねない」として、対策完了まで訓練停止を求めました。
2025年12月9日、東京都と周辺自治体で構成する「横田基地に関する東京都と周辺市町連絡協議会」が、在日米軍横田基地の第374空輸航空団司令官リチャード・F・マックエルハニー大佐に対し、降下訓練中の落下物事故について再発防止を強く要請しました。小池百合子東京都知事が会長を務める同協議会は、福生市の熊川児童館屋上で発見されたパラシュートが米軍兵士によるものだったと確認されたことを受け、「一歩間違えれば人命に関わる重大な事故につながりかねない」として、対策完了まで訓練停止を求めました。
訓練中の米軍兵士がパラシュートを空中で切り離し
東京都の発表によると、熊川児童館で発見されたパラシュートは、2025年11月20日に実施された横田基地の空挺降下訓練で使用されたものでした。この日、米軍兵士がC-130輸送機からのパラシュート降下訓練中、横田基地に着地する際に空中でパラシュートを切り離したことが原因で落下したとされています。米軍は同日中に児童館敷地内から一部を回収しましたが、屋上に残った部分は12月1日まで放置されていました。
問題となったのは、米軍が市側に通知することなく夜間に無断で回収作業を行っていた点です。児童館職員が12月1日に屋上で部品を発見したことで、初めて落下事故が発覚しました。福生市の担当者は「米軍側から事前の連絡は一切なかった。極めて遺憾な対応だ」と強い不快感を示しています。
「子どもが遊ぶ場所に落ちるなんて怖すぎる」
「なんで米軍は隠れて回収したの?」
「横田基地の訓練また問題起こしてる」
「パラシュート降下訓練って危険すぎでしょ」
「児童館に落ちるって住宅密集地じゃん」
過去にも基地外への落下事故が多発
横田基地でのパラシュート降下訓練をめぐる基地外への落下事故は今回で5件目となります。最も深刻だった事例は、2025年11月18日に発生した羽村市内の民有地への米兵落下事故でした。この事故では、米軍のC-130輸送機から降下した米兵の一人がメインパラシュートの故障により、基地から約3キロメートル離れた民家の屋根に激突し、建物を損傷させました。
米軍は事故後わずか2日間で訓練を再開しており、住民や自治体からは「原因究明なしに訓練再開するな」との強い批判が相次いでいます。日本共産党の山添拓参院議員らが防衛省から聞き取りを行った際、担当者は事故の詳しい経緯や原因について「不明」と繰り返し答えるのみで、安全確認が不十分なまま訓練が再開されている実態が明らかになりました。
地元自治体の要請を無視した訓練継続
特に問題視されているのは、米軍が地元自治体の要請を無視して訓練を継続している点です。東京都と周辺市町連絡協議会は11月18日の事故直後、「横田基地所属以外の部隊による同様の訓練は行わない」よう要請していました。しかし、落下した兵士は陸軍所属であり、横田基地は空軍基地であることから、他基地所属部隊による訓練が継続されている状況です。
羽村市の鈴木たくや市議は「またか、というのが市民の思いだ。このような事故は二度と繰り返さないでほしい」と訴えています。横田基地の撤去を求める西多摩の会の寉田一忠氏は「落下場所が基地から大きく外れて、青梅線をまたいでいる。線路の上や道路の上だったら、住民の命にかかわる事故になっていた」と指摘し、米軍と日本政府の認識の甘さを批判しています。
協議会が対策完了まで訓練停止を要求
今回の要請で協議会は、リチャード・F・マックエルハニー大佐に対し、「降下訓練における落下物などは一歩間違えれば人命に関わる重大な事故につながりかねない」として、具体的な再発防止策を求めました。主な要請内容は、原因の徹底究明、再発防止策が講じられるまでの同様訓練の停止、そして対策内容の速やかな情報提供です。
横田基地周辺は住宅密集地であり、児童館や学校、病院などの公共施設が多数存在しています。パラシュート降下訓練中の事故は、住民の生命と安全に直接関わる深刻な問題として位置づけられています。協議会では「対策するまでは訓練を行わない」との明確な約束を米軍側に求めており、今後の米軍の対応が注目されています。
米軍は過去の事故についても「部隊の即応性維持のために不可欠」として訓練継続を正当化していますが、住民の安全を軽視した姿勢への批判は高まる一方です。横田基地をめぐる日米地位協定の運用見直しを含めた抜本的な対策が求められています。