2025-10-03 コメント投稿する ▼
東京都が21年間消費税を未納 税理士指摘を放置し昨年把握も対応せず
東京都が都営住宅等事業会計について、2002年度から本来納付すべき消費税を21年間にわたり支払っていなかった問題で、都側は遅くとも2024年には税理士から指摘を受けていたにもかかわらず、申告や納付を行わなかったことが明らかになった。 しかし実際には、税理士法人から「2022年度以前にも納税義務がある」と指摘されていた。
東京都が21年間の消費税未納を放置か
税理士の指摘を把握しながら対応せず
東京都が都営住宅等事業会計について、2002年度から本来納付すべき消費税を21年間にわたり支払っていなかった問題で、都側は遅くとも2024年には税理士から指摘を受けていたにもかかわらず、申告や納付を行わなかったことが明らかになった。10月2日の都議会一般質問で、無所属の佐藤沙織里都議が追及したことで判明した。
都はこれまで「国税庁からの照会で初めて未納を把握した」と説明していた。しかし実際には、税理士法人から「2022年度以前にも納税義務がある」と指摘されていた。都はその後も申告せず、今年5月に国税庁の照会を受けるまで事実上放置していた疑いがある。
「都が1年近くも動かなかったのは怠慢だ」
「納税を軽視する姿勢は市民に説明がつかない」
「監査組織がありながら20年も気付かないのは異常だ」
「インボイス導入がなければ隠れたままだった」
「都民の信頼を裏切る重大な不祥事だ」
SNSなどでは、長年の見過ごしや説明の食い違いに批判が集まっている。
都側の答弁と対応
山崎弘人住宅政策本部長は「2023年度の申告業務の過程で税理士法人から以前の年度も確認が必要との指摘を受けていた」と答弁し、未納を昨年中に把握していた事実を認めた。
佐藤智秀総務局長も「監察を実施している。なぜ申告されなかったのか事実関係を明らかにする」と述べた。都は現在、内部監察で原因の究明を進めている。
20年以上見過ごされた背景
都営住宅等事業会計は2002年度に一般会計から特別会計へ移行し、この時点で消費税納付義務が生じていた。しかし担当部署が「制度理解が不足していた」として20年以上にわたり無申告が続いた。
その結果、2018年度以前の17年間分はすでに時効で納付義務が消失。都は2019〜2022年度分の約1億3642万円を納付するにとどまった。実際にはさらに多額の消費税を納めるべきだったが、過去分の多くが免れた形になった。
議会の調査権限と今後の課題
佐藤沙織里都議は「都には複数の監査組織があるのに、誰も気付かなかった」と指摘。さらに、議員の調査権限が不十分であるため、税務書類を直接確認したり、外部の専門家からヒアリングする仕組みを導入すべきだと訴えた。
都側は「議会の調査権限は地方自治法に基づく」と従来の立場を繰り返すにとどまったが、監督の不十分さが浮き彫りになった。今回の問題は、都の税務管理体制の甘さだけでなく、議会のチェック機能が十分に働いていないことを示している。
都民に問われる説明責任
消費税は市民にとって日常的に負担を強いられる税である。都が21年にわたり納めていなかった事実は、納税者意識そのものを揺るがす。さらに、税理士の指摘を知りながら対応を怠ったことは組織的な過失と言わざるを得ない。
今回の不祥事は都民の信頼を大きく傷つけた。監察で経緯を明らかにするだけでなく、責任の所在を明確にし、再発防止に向けた体制整備が不可欠である。