那覇市「緑のすず乃保育園」乳児死亡事件 元園長を不起訴、問われる行政責任

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那覇市「緑のすず乃保育園」乳児死亡事件 元園長を不起訴、問われる行政責任

2026年3月31日、那覇地方検察庁は、2022年7月に那覇市の認可外保育施設「緑のすず乃保育園」で生後3か月の男の子が死亡した事案をめぐり、保護責任者遺棄の容疑で書類送検されていた当時の60代の女性園長を不起訴処分としました。 認可外保育施設での死亡事故発生率は、認可保育施設の20倍以上ともいわれています。

2026年3月31日、那覇地方検察庁は、2022年7月に那覇市の認可外保育施設「緑のすず乃保育園」で生後3か月の男の子が死亡した事案をめぐり、保護責任者遺棄の容疑で書類送検されていた当時の60代の女性園長を不起訴処分としました。

検察側は不起訴の理由を明らかにしておらず、「証拠関係を踏まえ総合的かつ慎重に検討した結果」とのみコメントしています。亡くなった男の子の名は灰野涼空(はいの・りく)ちゃんで、生後わずか3か月でした。

事故当日に何があったのか


事故が起きたのは2022年7月30日のことです。りくちゃんは同日、一時保育として緑のすず乃保育園に預けられていました。

施設長は午前10時半ごろ、職員から男の子の様子がおかしいと報告を受けましたが、体に触れて温かさを確認するにとどまり、呼吸の確認はしませんでした。その後、昼ごろに母親が迎えに訪れると、顔が鬱血し、身体が黒くなっている状態だったにも関わらず、施設長はシャワーを浴びせ「冷たいけど、生きていますよ」と話しながら男の子を母親に引き渡しました。

母親は即座に呼吸が止まっていることに気づき、救急要請して心肺蘇生を試みましたが、搬送先の病院でまもなく死亡が確認されました。救急車を呼んだのは保育士でも施設長でもなく、迎えにきた母親自身だったのです。

その後の司法解剖では、男の子の死因が「不詳」と診断されていたことが分かっています。複数の専門機関でも死因は特定できず、一つの死因に絞って断定することは難しかったとされています。この「死因不詳」という壁が、刑事責任の追及を困難にした要因のひとつとみられています。

SNSでは怒りや悲しみの声が相次いでいます。

「子どもが亡くなって不起訴なんて、親御さんはどんな思いでいるんだろう」
「死因不詳だから刑事責任が問えないって、それが日本の現実なのか」
「迎えにきたお母さんが救急車を呼んだって…保育士は何をしてたんだ」
「検証委員会が問題ありと認めておきながら、なぜ誰も責任を取らないのか」
「同じような事故が今もどこかで起きているかもしれない。制度が変わらない限り繰り返される」

検証委員会が認めた多重の問題


那覇市が設置した検証委員会は2024年3月、この事案に関する報告書をまとめています。報告書には施設の保育体制の問題点が詳細に記録されています。

問題点として挙げられた内容には、乳児のうつ伏せ寝が常態化していたこと、睡眠中の体調確認は身体に触れて体温を感じるだけだったこと、授乳後のゲップをさせていない時があったこと、「抱き癖がつく」という理由で抱っこを行っていなかったことなど、数多くの項目が指摘されていました。

さらに深刻なのは、死亡事故が発生する約1か月前に、利用者から「すぐに立入調査をしてほしい」という通報が那覇市に寄せられていたことです。通報は園内での虐待の疑いや保育環境の異常を訴えるものでしたが、市は園を訪問する対応にとどまり、立入調査を実施しませんでした。

検証委員会はこうした経緯を踏まえ、「施設運営や行政の対応など、保育の安全が守られなかったことが幼い命を失わせるという重大な結果につながった」と結論づけています。

繰り返される悲劇と制度の限界


りくちゃんの両親は2024年7月30日——事故からちょうど2年の節目に——施設長と那覇市、そして国を相手に9000万円あまりの損害賠償を求めて那覇地方裁判所に提訴しています。

保育事故裁判で国の責任を問うのは稀です。訴状では、国が認可外保育施設の存在を容認し続け、必要な方策を講じなかったことで、すべての子どもが持っている安心・安全な保育を受ける権利が侵害されたと主張しています。

沖縄県内では、同様の悲劇が過去にも起きています。2010年には石垣市の認可外保育施設でも、同じく生後3か月の男の子がうつ伏せ寝で死亡する事故が発生していました。この事故の遺族は、那覇市の事故を報道で知り「なぜ繰り返されるのか」と涙をのんでいます。

認可外保育施設での死亡事故発生率は、認可保育施設の20倍以上ともいわれています。それほどの数字がありながら、監督行政は機能していませんでした。那覇市は事故の前年2021年11月に同施設に対して安全確保に関する12項目の改善指導を行っていましたが、その後の改善状況の確認が十分でなかったことも問題として指摘されています。

今回の不起訴処分は、刑事上の責任追及が困難であることを示す一方で、民事訴訟と再発防止策の整備こそが問われる段階へと移っていることを意味しています。子どもの命を守る最後の砦であるべき保育の場で、なぜ今なお同じ事故が繰り返されるのか——その問いへの答えを行政と社会が真剣に出していく必要があります。

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まとめ
  • 那覇地方検察庁は2026年3月31日、元園長を保護責任者遺棄の疑いで不起訴処分
  • 不起訴の理由は非公表。司法解剖でも死因が「不詳」で刑事立証が困難だった
  • 事故当日、施設長は異変に気づいた後も救急車を呼ばず、最終的に119番通報したのは母親
  • 那覇市には事故1か月前に虐待疑い等の通報があったが、立入調査は実施されなかった
  • 同施設は事故前年に12項目の改善指導を受けていたが、是正確認が不十分だった
  • 那覇市検証委員会は「施設運営・行政対応の問題が重大な結果につながった」と認定
  • 両親は2024年7月に施設長・那覇市・国を相手に約9000万円の損害賠償を提訴
  • 認可外保育施設の死亡事故発生率は認可保育施設の20倍以上との指摘あり

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2026-04-01 10:37:13(内間)

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