高市政権を「戦後最悪」と断じた志位和夫の盲点 危機を煽るだけでは国民は動かない

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高市政権を「戦後最悪」と断じた志位和夫の盲点 危機を煽るだけでは国民は動かない

その中で志位氏は、高市早苗首相の政権を「かつてない危険性を持ち、同時にもろさと弱さを抱えた政権」と断じたうえで、「日本共産党の役割はいよいよ大きくなっている」と強調した。 志位氏は「私は32年間、国会で様々な政権と対峙してきたが、高市政権は戦後最悪の反動政権だ」と言い切った。 志位氏の「ファシズムのにおい」というレトリックは刺激的だが、もはや国民に響かない時代に入っている。

高市政権の危うさと日本共産党の“戦略的幻想”


日本共産党の志位和夫議長が25日、大阪市で開かれた教職員向けの集会で、「高市政権にどう向き合うべきか」との質問に答えた。その中で志位氏は、高市早苗首相の政権を「かつてない危険性を持ち、同時にもろさと弱さを抱えた政権」と断じたうえで、「日本共産党の役割はいよいよ大きくなっている」と強調した。だが、この発言には「危機感を煽るだけで現実の支持拡大につながらない」との冷めた見方も出ている。

志位氏は「私は32年間、国会で様々な政権と対峙してきたが、高市政権は戦後最悪の反動政権だ」と言い切った。さらに、自民党と日本維新の会の間で交わされた連立合意書を「暮らしと憲法を破壊し、議員定数削減など民主主義を壊す内容」と非難。「ファシズムのにおいがする」とまで言い放った。だが、ここまで強い言葉を使う背景には、共産党が長年抱えてきた焦りが透けて見える。自民・維新・国民民主が連携を強める中で、野党共闘は瓦解し、共産党の発言力は国政で急速に薄れつつある。

「戦後最悪の反動政権」
「ファシズムのにおいがする」
「アクセルが2本でブレーキがない政権」
「自民党は補完勢力を使い果たしている」
「共産党を強く大きくしてほしい」

これらの発言には、危機を強調することで自党支持を掘り起こそうという意図が見え隠れする。志位氏は「高市政権はもろく弱い政権」と語り、その根拠として「二つの安全装置の喪失」を挙げた。ひとつは公明党との連立破綻、もうひとつは維新・国民民主といった補完勢力の“使い果たし”だという。確かに自民党は長年、創価学会の組織票に支えられてきた。連立解消は政権基盤を揺るがす大事件である。しかし、それが即座に「高市政権崩壊」につながるとは限らない。むしろ、自民党は新たな選挙戦略の再構築に動いており、現実政治ではしたたかに生き残る力を見せている。

志位氏の分析には一理ある。確かに、公明党の離脱で自民の選挙支援ネットワークは分断され、維新との接近も一枚岩ではない。だが、それを“政権のもろさ”と決めつけ、「自民は終わりだ」と語るのは早計だ。日本の保守層には根強い組織力と経済界の後ろ盾があり、共産党がそこを崩す見通しは立っていない。政治は理念ではなく、現実の票で動く。志位氏の演説は情熱的だが、政策的な具体性は乏しい。

また、志位氏は「国民的共同で戦後最悪の反動政権を短命に終わらせよう」と呼びかけた。だが、いま国民が求めているのは、政権交代のスローガンではなく、物価高・少子化・安全保障などの現実的な処方箋だ。共産党は「戦争反対」「増税反対」といった単純な反対運動に留まりがちで、政策形成で主導的な役割を果たしていない。いくら政権批判を重ねても、代わりに「誰が何をどう変えるのか」が見えなければ、共感は広がらない。

高市政権が危険であることは確かだ。防衛費増額、憲法改正、緊急事態条項など、右派的政策が一気に現実化しようとしている。だが、その危険性を止めるには、単なる反対では足りない。対案を持ち、国民の生活に直結する言葉で政治を語る力が必要だ。志位氏の「ファシズムのにおい」というレトリックは刺激的だが、もはや国民に響かない時代に入っている。

共産党が本当に政権の暴走を止めたいなら、まず自らの閉鎖的な政治文化を打ち破ることが先だ。党首が25年以上も変わらず、意思決定が中央委員会に集中する体制では、国民の信頼を得ることは難しい。「民主主義を守る」と語る政党が、内部民主主義を欠いていては説得力がない。

志位氏は演説の最後で「共産党を強く大きくしてほしい」と呼びかけた。しかし、国民が求めているのは“強い共産党”ではなく、“現実に役立つ野党”だ。理想を語るだけでは、現実は動かない。高市政権の危険性を指摘すること自体は正しいが、それを打ち破る戦略を持たなければ、共産党の声はまた空回りに終わるだろう。

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2025-10-27 10:42:57(S.ジジェク)

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