2026-01-07 コメント投稿する ▼
観光庁が迷惑民泊への取り締まり強化、2026年ガイドライン改正で行政処分の目安明示へ
観光庁が2026年度にも住宅宿泊事業法のガイドライン見直しに着手します。 迷惑行為を繰り返す民泊施設の運営事業者に対して、自治体が行政処分を出しやすくするための具体的な目安を示す方針です。 住宅宿泊事業法が施行された2018年6月から2025年3月までの約7年間で、苦情の頻発を理由とした行政処分はわずか1件にとどまっています。
インバウンドの増加で民泊需要が拡大する一方、騒音やゴミの放置など近隣住民を悩ませる問題が後を絶ちません。しかし現行制度では事実確認が難しく、行政処分に至るケースは極めて少ないのが実情です。住宅宿泊事業法が施行された2018年6月から2025年3月までの約7年間で、苦情の頻発を理由とした行政処分はわずか1件にとどまっています。
住民の生活を脅かす民泊トラブルの実態
民泊をめぐるトラブルは全国で深刻化しています。東京都新宿区では民泊に関する苦情件数が2022年度の60件から2023年度には299件へと約5倍に急増しました。2025年9月には豊島区が民泊営業を夏休みと冬休み期間に限定する条例改正案を公表し、2026年7月の施行を目指しています。
「隣の民泊から深夜まで騒ぎ声が聞こえて眠れない」
「ゴミ出しのルールを守らず、カラスが散らかして困る」
「知らない外国人が敷地内に勝手に入ってきて怖い」
「何度苦情を言っても事業者が対応してくれない」
「行政に通報しても改善されるまで時間がかかりすぎる」
千葉県一宮町では民泊利用客が深夜に大声で歌ったり、敷地内に無断侵入して自転車を物色したりする事例が報告されています。住民の中には、近隣に民泊ができたことで日常生活が脅かされ、不安を抱えながら暮らしている人も少なくありません。
行政処分が進まない現状と問題点
現行の住宅宿泊事業法では、運営事業者は都道府県などへの届出や衛生確保に加え、苦情への対応が義務付けられています。義務違反は業務廃止命令などの行政処分の対象となりますが、実際に処分が下されるケースは極めて稀です。
観光庁によると、施行後7年間で苦情の頻発を理由とした処分は1件のみです。迷惑行為の事実確認が難しく、行政が処分に踏み切れないケースが多いのが実情です。事業者への指導や改善命令を繰り返しても改善されず、住民が長期間にわたって被害を受け続ける状況が生まれています。
2025年12月には新宿区が報告義務違反を繰り返した4事業者に対して業務廃止命令を発出しましたが、これは苦情への対応不備ではなく報告義務違反が理由でした。迷惑行為そのものを理由とした処分のハードルは依然として高い状態が続いています。
通報先の明確化と即応体制の構築が急務
民泊による迷惑行為に悩む住民にとって、通報先が分かりにくいという問題もあります。現在は都道府県や保健所設置市、特別区などが窓口となっていますが、一般の住民には分かりにくく、どこに連絡すれば良いのか迷うケースが多いのです。
国は2026年度早期に違法民泊を予約サイトから排除する新システムの運用を開始する方針ですが、合法的に届出を行っている施設での迷惑行為については別の対応が必要です。通報先を明確にし、住民が気軽に相談できる体制を整えることが不可欠です。
さらに重要なのは、通報後の対応スピードです。現状では通報から改善まで数か月から1年以上かかるケースもあり、その間住民は被害を受け続けます。悪質な事業者に対しては迅速に営業停止や刑事罰を科す仕組みが必要です。行政の処分に時間がかかるような意味のない対応では、住民の生活を守ることはできません。
2026年のガイドライン改正で何が変わるのか
観光庁は2026年度にも住宅宿泊事業法のガイドラインを見直し、悪質な事業者に対して自治体が行政処分を出すための具体的な目安を示します。担当者は「どれくらいの事実をつかめれば行政処分が可能かという目安をつくりたい」と述べています。
一部の都道府県と連携し、迷惑行為が発生している施設の事業者に対する行政指導や行政処分の手順を明確化する方針です。これにより、自治体が迷速に対応できる環境が整うことが期待されます。
しかし、ガイドラインの見直しだけでは不十分です。住民が被害に遭った際にすぐに相談できる窓口の設置、通報から処分までの期間短縮、悪質な事業者への厳罰化が同時に進められなければ、実効性のある対策とは言えません。民泊による観光公害から住民の生活を守るためには、行政が本気で取り組む姿勢を示す必要があります。
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