金子恭之国交相とラトニック米商務長官が造船協力覚書締結、中国に対抗し作業部会設置

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金子恭之国交相とラトニック米商務長官が造船協力覚書締結、中国に対抗し作業部会設置

覚書には日米造船作業部会の設置を明記し、日米が連携して米国の造船所の建設・整備に投資し、競争力や効率性を向上させます。 トランプ大統領の来日に合わせて締結されたこの覚書は、日米両国の造船業の新たな歴史を作り出す重要な一歩となります。 日米が連携して米国の造船所の建設・整備に投資し、競争力や効率性を向上させます。

金子恭之国土交通相は2025年10月28日、来日中のラトニック米商務長官と国土交通省で会談し、日米の造船能力の拡大に向けた覚書を締結しました。両国で作業部会を設置し、米国の造船・海事産業への投資を促進します。経済安全保障上重要な海上交通の分野で競争力を高め、船舶建造量で世界トップの中国に対抗する狙いがあります。

覚書には日米造船作業部会の設置を明記し、日米が連携して米国の造船所の建設・整備に投資し、競争力や効率性を向上させます。年内にも初会合を開く予定です。トランプ大統領の来日に合わせて締結されたこの覚書は、日米両国の造船業の新たな歴史を作り出す重要な一歩となります。

世界シェア9割超を占める日中韓、米国はほぼゼロ


世界の造船業界は現在、中国、韓国、日本の3か国が圧倒的な地位を占めています。2024年のデータによると、これら3か国で世界の船舶建造量の9割以上を占める寡占状態となっています。

特に中国の台頭は著しく、2024年の新規受注では補正総トン数ベースで世界シェアの70パーセント以上を獲得しました。中国は造船完成量、新規受注量、手持ち工事量の主要3指標すべてにおいて世界シェアの半数を超え、15年連続で世界一の座を維持しています。韓国のシェアは約17パーセントで、日本は5パーセント程度まで低下しています。

一方、米国のシェアはゼロに近い状況です。かつて造船大国だった米国は、商船を建造できる能力がほぼなくなりました。トランプ氏は米国の造船能力復活を重要な政策課題として掲げており、2025年7月の関税合意で日本が米国に約束した対米投資5500億ドル約84兆円に造船分野への投資も盛り込まれていました。

「中国が世界の造船の7割も占めてるって知らなかった。日本ってもっと強かったイメージだけど」
「アメリカの造船業がゼロに近いって、ちょっと意外。軍艦とか自分で作れないの?経済安全保障的にやばくない?」
「日本の造船技術で米国を支援するのはいいけど、結局アメリカに技術を取られるだけじゃないの?」
「中国依存からの脱却は必要だと思う。造船も半導体みたいに国家安全保障の問題になってるんだね」
「84兆円も投資するって、本当に日本の国益になるの?トランプの要求を飲まされてるだけに見える」


日米造船作業部会を設置、5分野で協力


覚書では日米造船作業部会の設置を明記し、以下の5分野で協力を促進することを決めました。

第一に、日米両国の建造能力拡大です。日米が連携して米国の造船所の建設・整備に投資し、競争力や効率性を向上させます。日本には砕氷船の建造実績があるメーカーもあり、そうした分野での技術提供も想定されています。

第二に、米国海事産業基盤への投資の促進です。日本企業が米国の造船所や関連施設への投資を行い、米国の造船能力の回復を支援します。

第三に、市場経済のための船舶需要の明確化です。特に経済安全保障上重要な公船・商船の需要を明確化し、計画的な建造を進めます。

第四に、日米両国の造船人材育成のための教育・研修の強化です。造船業に必要な人材の獲得や育成を共同で推進します。

第五に、技術革新です。人工知能やロボットなどの先進的な建造技術の共同開発・実装を進め、先進的な船舶の設計や機能向上を図ります。

新たな歴史を作ると強調


覚書締結に際し、金子国土交通相は「造船業は日米両国の経済と安全保障を支える極めて重要な分野。覚書は日米両国の造船の新たな歴史を作り出す」と強調しました。造船産業を海事分野の経済安全保障や産業の回復力にとって極めて重要だと位置づけ、日米協力の意義を訴えました。

ラトニック商務長官は「重要なのは米国が造船業をしっかりと再構築することだ」と指摘し、「素晴らしい同盟国、友人である日本と連携できることを楽しみにしている」と語りました。ラトニック氏はトランプ政権で通商・産業政策を担当し、関税政策を主導する中心人物として知られています。

中国の圧倒的優位に対抗


今回の日米協力の背景には、造船分野で圧倒的な世界シェアを誇る中国への対抗があります。中国は政府による強力な産業支援策、巨大な国内市場の存在、整備されたサプライチェーン網、豊富な労働力、積極的な設備投資などを武器に、世界市場を席巻しています。

中国のシェア拡大は単なる量的な拡大にとどまらず、著しい技術力の向上を伴っています。かつてはばら積み船などが建造の中心でしたが、現在ではコンテナ船やタンカーといった主要な商業船に加え、液化天然ガス運搬船のような高度な技術を要する船舶においても、韓国に迫るあるいは一部の分野では凌駕するほどの競争力を有するに至っています。

特に注目すべきは、環境対応船の受注において世界市場の78.5パーセントという圧倒的なシェアを占めている点であり、次世代技術への迅速な対応が進んでいることを示しています。

経済安保の観点から協力強化


造船業を巡っては、経済安全保障の観点からも日米協力の重要性が高まっています。船舶は国際貿易や軍事活動に不可欠であり、造船能力は国家の安全保障に直結します。中国への一極集中がさらに進む場合、地政学的リスクや特定国への過度な依存が、世界の海運および物流の安定性にとって潜在的な懸念材料となる可能性があります。

日本の造船業も長らく海運市況の悪化による新造船の受注低迷と、新型コロナウイルスの感染拡大による商談の停滞に苦しんできました。しかし2021年以降、新造船の商談が動き始め、環境対応の影響で追い風が吹いています。

日米で設計を共通化する取り組みを進めることや、人工知能などの先進技術で連携することも覚書に盛り込まれています。日米造船作業部会は年内にも初会合を開き、具体的な協力方策を検討する予定です。トランプ大統領の来日に合わせて締結されたこの覚書は、日米同盟を経済安全保障の分野でも強化する重要な一歩となります。

※米ドルと円の換算レートは2025年10月28日時点の基準レート1ドル153円を使用しています。

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2025-10-29 10:17:03(植村)

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