2026-04-02 コメント投稿する ▼
茂木敏充外相がホルムズ海峡外相会合でIMO海上回廊設置を提案し40か国に協力要請
2026年4月2日夜、イギリス主催によるホルムズ海峡に関する外相会合がオンラインで開催され、日本の茂木敏充外務大臣が出席しました。40か国以上が参加した今回の会合で、茂木大臣は国際海事機関(IMO)への「海上回廊」設置の提案を説明し、各国に協力を呼びかけました。米国が参加しない中で、主要各国が独自に事態の打開策を模索する動きが本格化しています。
「みんなが通れる状態を」―IMO海上回廊提案の意味
ホルムズ海峡は2026年2月末の米国・イスラエルによるイラン攻撃を機に事実上の封鎖状態に入り、150隻以上のタンカーがペルシャ湾内で足止めを余儀なくされています。日本関係の船舶だけでも45隻が留め置かれているとされています。
茂木大臣は会合で、こうしたペルシャ湾内に滞留する船舶と船員の安全確保のため、IMOに「海上回廊」の設置を提案していると説明しました。海上回廊とは、すべての国の船舶が安全に航行できる通路を国際的に定め、これを保証する仕組みです。特定の国だけが個別交渉で通過を認めてもらうのではなく、すべての船舶が通れる国際的な解決を目指す姿勢を示したものです。
「日本だけが個別に通してもらうのではなく、すべての船が通れる状態を作ることが重要という姿勢は正しい。抜け駆けは国際社会での信頼を損なう」
茂木大臣はこれに先立ち、韓国の趙顕外相、サウジアラビアのファイサル外相とも個別に電話会談を行い、事態の早期沈静化に向けて連携していくことで一致しました。日韓両国はホルムズ海峡を経由する原油への依存度がともに高く、この問題は両国共通の死活的課題です。
米国不在の外相会合―日本が果たす「橋渡し役」
今回の外相会合に米国は参加しませんでした。英国のクーパー外相は冒頭で「イランによって世界の国々の燃油費や生活費が影響を受け、経済安全保障に打撃を与えている」と強調しました。
「米国が参加しない中で40か国以上が集まったことは、ホルムズ問題が国際社会の緊急課題になっていることを示している」
茂木大臣はこれ以前にも、G7外相会合の場で米国と欧州の間の橋渡し役として機能してきた経緯があります。「ホルムズ海峡では全ての船舶の航行の安全を確保することが重要」と一貫して訴え、米国への歩み寄りを促しつつ、欧州や韓国・サウジアラビアなどとの多角的な連携を進めています。日本政府高官は「米欧をつなぐ役割が今の日本にはある」と述べており、この外相会合への参加もその文脈にあります。
「日本だけ個別交渉」は否定―国際協調を貫く日本の外交姿勢
今回の外相会合の前、2026年3月22日にはイランのアラグチ外相が「日本船籍のタンカーの通過を認める用意があり、日本と協議に入った」と発表し、波紋を呼びました。しかし茂木大臣はこれを否定し、「みんなが通れる状態を作ることが重要」と述べ、日本単独での交渉を行う考えを退けました。
「イランと個別に交渉して日本のタンカーだけ通してもらうのは、同盟国や友好国への背信行為になりかねない。抜け駆けはすべきでない」
この姿勢は重要な意味を持ちます。日本は今回の事態でIMOへの提案、G7での橋渡し、韓国・サウジとの個別協議という重層的な外交を展開しており、単独行動より国際協調を優先するという一貫した姿勢を維持しています。
備蓄と外交の二正面作戦―日本が直面する時間との戦い
封鎖が長引くほど、日本のエネルギー安全保障は圧迫されます。日本は国家備蓄と民間備蓄を合わせて約200日分以上の石油備蓄を持っていますが、封鎖が継続する限り再充填は困難です。
「備蓄があるうちに外交で解決しなければならない。時間的な余裕はそれほど多くない」
茂木大臣は2026年3月17日にもイランのアラグチ外相と電話会談を行い、全ての船舶の安全確保と、イラン国内で拘束されている邦人2人の早期解放を求めています。今回の40か国以上による外相会合が、海峡再開に向けた国際的な突破口となるか。日本のエネルギー生命線をめぐる外交は、これからが正念場を迎えます。
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まとめ
- 2026年4月2日夜、イギリス主催のホルムズ海峡外相会合がオンラインで開催、40か国以上が参加(米国は不参加)
- 茂木敏充外務大臣がIMOへの「海上回廊」設置提案を説明し、各国に協力を呼びかけた
- 海上回廊とは特定国ではなくすべての船舶が安全に通航できる国際的な枠組みのこと
- 会合に先立ち、韓国の趙顕外相・サウジアラビアのファイサル外相と個別電話会談し連携確認
- 日本関係の船舶45隻がペルシャ湾内で足止め中
- イランのアラグチ外相が「日本と個別協議に入った」と主張したが、茂木大臣は否定し単独交渉を否定
- 日本は「みんなが通れる状態」を作る国際協調路線を一貫して維持
- 茂木大臣はG7外相会合でも米欧の橋渡し役として機能してきた
- 日本は国家・民間合わせて約200日分以上の石油備蓄があるが、封鎖長期化で再充填が困難に
- 2026年3月17日にイランのアラグチ外相と電話会談し、邦人2人の早期解放も要求済み