2025-08-07 コメント投稿する ▼
中国フェンタニル密輸、日本法人が関与か ビザ取得容易さも背景に国際犯罪の拠点化懸念
欧州調査機関、中国フェンタニル密輸ネットワークが日本にも拠点 愛知の法人関与か
オランダに拠点を置く調査報道機関ベリングキャットは8月7日、中国のフェンタニル密輸組織が日本国内に拠点を持っていた可能性を指摘する報告を発表した。米国に不正輸出されていた合成麻薬フェンタニルの背後に、中国企業と密接な関係を持つ愛知県名古屋市の法人「FIRSKY株式会社」が存在していたという。
今回の報告は、日本の新聞社との共同調査によって明らかになったもので、米国の司法手続きで浮上した東アジアの別拠点の存在が発端となった。ベリングキャットは金融記録や企業情報、ダークウェブ上の取引履歴を追跡し、中国組織と日本法人の関係を特定したとしている。
「日本が犯罪ネットワークの中継地になるのは防がなければならない」
「長期滞在資格の取得が容易すぎる」
「中国からの犯罪流入リスクをもっと真剣に議論すべき」
「規制の甘さが国際犯罪に利用されるのは危険」
「移民や長期滞在者には日本の法と文化遵守を徹底してほしい」
米国での裁判と密輸の規模
米国・ニューヨークで行われた裁判では、中国籍の男女2人が違法薬物取引関連の容疑で起訴された。この2人は中国・武漢市に拠点を置く化学会社「湖北精奥生物科技(アマーベルバイオ)」に勤務し、200キログラム以上の原料物質を中国から米国に密輸したとされる。これはフェンタニルの致死量に換算すると約2,500万回分に相当し、米当局は重大な脅威とみなしている。
2人は麻薬取締局(DEA)の捜査により、中国からフィジーにおびき出され、その後米国に身柄を移送されて逮捕された。米司法文書には、これらの活動が東アジアの別の国とも関係している可能性が示されており、それが今回の日本での調査のきっかけとなった。
名古屋の法人とダークウェブでの取引
調査によると、この中国人らは日本国内に設立された「FIRSKY株式会社」とつながりがあり、この法人が密輸組織の拠点として機能していた可能性がある。さらに、通常の検索エンジンでは見られないダークウェブ上で、偽装された商品の販売や取引記録が確認されたという。
ベリングキャットは、日本がこうした国際犯罪の拠点として利用される背景に、地理的な近さや文化的な繋がりに加え、「長期滞在資格やビザの取得が比較的容易であること」を挙げている。入国や滞在に関する規制が緩く、外国人犯罪組織にとって活動基盤を作りやすい環境になっているという見方だ。
国際犯罪の温床となるリスクと日本の課題
今回の報告は、日本が国際的な違法薬物流通の一部に組み込まれる危険性を改めて浮き彫りにした。特に、中国からの長期滞在者や外国人労働者の増加といった社会状況を背景に、在留資格制度や企業設立の審査体制の見直しを求める声も出ている。
国際犯罪対策には、単に刑事罰を強化するだけでなく、入国管理や企業登記、資金移動の監視を含む包括的な制度改革が不可欠だ。移民・滞在者に対する法と文化の遵守徹底や、スパイ防止法の制定といった安全保障面での法整備も急務だとの指摘が強まっている。