2025-08-05 コメント投稿する ▼
石破首相、続投を明言も地方から厳しい声 政策・SNS戦略の遅れに「運営能力欠如」の指摘
石破首相「続投」明言も、地方からは政策・SNS運用に厳しい注文 自民幹事長会議
参院選での大敗から間もない5日、自民党は全国幹事長・政調会長会議をオンラインで開催し、地方組織幹部から敗因や今後の対応について意見を聴取した。石破茂首相(党総裁)は冒頭、「引き続き公明党と連携して政権運営に当たる。真摯な議論を通じて国難の時代に対応したい」と述べ、続投の意向を改めて表明した。
しかし、会議では地方から厳しい声が相次ぎ、「国民に刺さる政策が不足していた」「政治とカネの問題が有権者の不信を招いた」などの指摘に加え、首相退陣と総裁選の前倒しを求める意見も出た。党内の危機感は強く、首相の続投方針は簡単には受け入れられていない。
政策とSNS戦略への不満
会議後、小野寺五典政調会長は「政策やSNS対応、広報について多くの意見があった。参院選の検証に向けて重要な指摘をいただいた」と説明。地方幹部からは、SNS発信が十分に有権者の共感を得られていないとの不満や、対立軸を明確に打ち出す政策が欠けているとの指摘が目立った。
「何をやりたい政権なのか国民に伝わっていない」
「SNSは情報発信ではなく炎上回避ばかりになっている」
退陣する・しないという判断、SNS戦略、政策立案──いずれも現代政治ではスピードが求められる。情勢が目まぐるしく変化する中で、対応が遅れることは致命的だ。今回のやり取りからは、そのスピード感が欠けている自民党には、政党としての運営能力そのものに疑問符がつく。
退陣論も浮上
会議に先立ち、自民党参院執行部は参院選当選者へのヒアリングを実施。京都選挙区で4選を果たした西田昌司氏は、「最大の敗因は、昨年の衆院選敗北後に総裁選を実施しなかったことだ」と述べ、首相退陣を主張したことを明らかにした。こうした発言は、党内でくすぶる「石破降ろし」の動きをさらに加速させる可能性がある。
松山政司参院議員会長は、敗因を分析する参院選総括委員会の報告書を8月最終週に取りまとめる予定だと説明。報告内容によっては、首相への求心力が一層低下する恐れもある。
石破首相の難しい立場
石破首相は「国難の時代」を強調し続投の意欲を示すが、少数与党の立場に加え、党内の不協和音や地方からの不満が重なり、政権運営は厳しさを増している。参院選敗北の衝撃は大きく、政策立案力や広報戦略の抜本的見直しなくしては、党勢回復も支持率の反転も難しい状況だ。
「続投するなら結果を出さなければ意味がない」
「このままでは総裁選待たずに求心力を失う」
石破政権は今、地方組織の信頼回復と党内融和の二正面作戦を迫られている。参院選総括と秋の臨時国会が、その命運を大きく左右することになりそうだ。