2025-07-29 コメント: 1件 ▼
「強く働きかけている」の限界 北方領土墓参で石破首相が決意表明も進展見えず
北方領土への早期墓参を「人道上の問題」と明言 石破首相、元島民の孫世代と面会
石破茂首相は7月29日、北方領土の元島民の孫やひ孫にあたる北海道の中学生7人と首相官邸で面会し、ロシアとの関係悪化で途絶えている北方四島交流事業の早期再開と、元島民による墓参の実現に強い意欲を示した。「これは国益や外交を超えた人道上の問題だ」と明言し、「日本政府としてロシアに強く働きかけている」と語った。
首相は日ロ関係の厳しさを認めつつも、「四島の帰属問題を解決し、平和条約を締結するという日本政府の方針には変わりはない」と強調。「元島民の皆さんがご存命のうちに、この問題に前進をもたらしたい」と語った。
次世代の声が政治を動かす 14歳の訴えに首相も真剣なまなざし
官邸を訪れたのは、北海道根室市や釧路市などから選ばれた中学生7人。祖父が国後島の元島民である根室市立光洋中3年の立野恋(れん)さん(14)は、「自由に行き来できる島になってほしい」と語り、さらに「返還後もロシア人住民の人権や利益を十分に尊重する共存の意識が大切」と述べた。
石破首相はこの言葉に真剣な表情でうなずき、「まさにその考えが重要。未来の世代が共に生きる道を切り開く手本になってほしい」と応じた。
「強く働きかけている」は空念仏?進展なき40年に国民の不信も
石破首相の「強く働きかけている」という表現は、これまでも歴代の自民党政権が幾度となく繰り返してきた。しかし実際には、四島返還どころか、ロシア側による北方領土での軍備強化や一方的な施策が続いており、状況はむしろ悪化しているとの指摘も多い。
ウクライナ侵攻以降、日ロの平和条約交渉は凍結状態にあり、墓参やビザなし交流といった人道的事業すら再開の見通しは立っていない。国民の間では「“強く働きかけている”と言い続けるだけで、実は何も進んでいないのでは」との不信感が広がっている。
「何十年も“強く働きかけている”って、もはやテンプレでしかない」
「努力してるように聞こえるけど、結果が出てないなら意味がない」
「強く働きかけた結果が“交渉凍結”って、皮肉にもほどがある」
「墓参ですら再開できていないのに、返還が近いなんてとても思えない」
「外交カードを持たないまま“言い続ける”だけの政治に国民はもう飽き飽きしてる」
人道を盾に現実突破できるか 問われるは“信頼と実行”
北方領土問題は、日ロ外交の象徴的課題であると同時に、戦後日本の外交姿勢の鏡でもある。だが「強く訴える」「粘り強く交渉する」といった表現が繰り返されるばかりで、具体的な進展が見られないまま時が過ぎているのもまた事実だ。
石破首相が語った「墓参は人道問題であり、国益の前に人としての道義を果たすべき」という姿勢は、多くの国民の共感を呼ぶ。しかし、それを口先の決意に終わらせないためには、今こそ“結果で示す政治”が求められている。