2025-07-21 コメント: 2件 ▼
石破茂首相「自分のことは考えていない」 3連敗でも続投に疑問の声 説明責任は果たされたのか
石破首相「国家国民のため」続投表明 3連敗でも責任語らず、党内外から疑問の声
2025年7月21日、自民党の石破茂首相(党総裁)は、参議院選挙での大敗を受けた記者会見で、自身の続投を改めて明言した。「自らのことを考えて判断するということは全くない。ただ国家、国民のためにどう責任を果たすかを考えている」と語り、自身の去就よりも国政の安定を優先する姿勢を強調した。
しかし、自民党は昨年10月の衆院選、今年6月の都議選、今回の参院選と選挙で3連敗を喫しており、党内外では「責任は誰が取るのか」という声が強まっている。石破氏がかつて、選挙に敗れた安倍晋三元首相に公然と退陣を求めた過去もあり、「あの時の石破氏の言葉は今も有効か」との指摘が相次いでいる。
「私利私欲ではない」 首相、続投の大義を主張
会見で石破首相は、自らの政治的延命を否定し、「首都直下型地震や南海トラフ地震、トランプ政権との関税交渉、物価高騰対策など、この国には対応すべき課題が山積している。こういうときに国政を停滞させるわけにはいかない」と語った。
また、自民党が惨敗した2007年の参院選後、当時の安倍首相に退陣を促した自身の発言について問われると、「一字一句覚えているわけではないが、あのとき安倍氏が続投を表明したからこそ、国民に説明を求めた」と回顧。そのうえで、「今回の私の発言も、そのときのことを思い起こしている」と説明した。
だが、当時は安倍氏の続投理由を「国民の理解が得られない」として公然と批判していたこともあり、石破首相の今回の対応には矛盾を感じるという声が少なくない。
党内の責任論には沈黙 敗因の自己責任は語らず
石破首相は、自民党の支持離れが続いている理由について、「要因は多岐にわたり、これと特定するのは極めて難しい」と述べた。その上で、「物価高や外国人政策、政治改革など課題はさまざま。党として真剣に分析し、教訓を得たい」と語るにとどめ、自身のリーダーシップに起因する可能性には一切言及しなかった。
また、党執行部の刷新についても触れず、石破首相自身の責任問題や進退を問う声についても「いただいた支持にどう応えるかが重要だ」と繰り返し、辞任を明確に否定した。
こうした姿勢に対して、党内からはすでに不満が噴出している。木原誠二選対委員長は「しかるべき時期に進退を考える」と述べ、河野太郎元外相は「幹事長が辞表を出さないのはおかしい」と語るなど、執行部の責任をめぐる亀裂が浮き彫りとなっている。
国民の声「また責任逃れか」「選挙の意味とは」
SNSや各種投稿では、石破首相の発言に対して冷ややかな反応が広がっている。とくに「国家国民のために辞めない」という論法に対し、「自己保身と何が違うのか」とする声が目立つ。
「3連敗しても責任取らない首相。これが“国家国民のため”って言えるの?」
「安倍さんには辞めろって言ったくせに、自分は説明すればOKってこと?」
「誰も国政を止めろなんて言ってない。止まってるのは国民の信頼だよ」
「言葉ばかりで行動が伴ってない。政治改革ってどこへ行ったの?」
「こうして選挙の意味がどんどん軽くなっていく。国民に失礼すぎる」
一方で、「石破氏の言葉に期待していた」「国政の安定は確かに必要」という声も一部ではあるものの見られる。ただし、そうした意見も「だからといって責任を無視していいわけではない」という前提を伴っている。
石破政権の正当性は揺らいでいるのか
選挙は、政権の信任を問う直接的な機会である。それを3度にわたって敗れながら、なおも「支持をいただいた責任がある」として続投を正当化する論法に、党内外の理解がどれだけついてくるのかは極めて不透明だ。
国民からの信任を背景にした政権の正当性は、選挙の結果と切り離して考えることはできない。石破首相が唱える「説明責任」もまた、行動を伴わなければ空虚に響くだけだ。
今後の焦点は、8月1日に予定される臨時国会と、9月末とされる党役員人事。党内の不満が臨界点を超えるか、それとも石破首相が体制立て直しに成功するか――自民党の命運は、極めて不安定な足場の上にある。