2025-07-17 コメント投稿する ▼
日本政府、モルドバに60万ドル支援 サイバーセキュリティ強化は“国益”か?国内の声は疑問も
60万ドルで何が変わる?日本が支援するモルドバの“サイバー司法改革”の現実
日本がモルドバに出した60万ドル、その意味とは
日本政府がまた一つ、海外への資金支援に踏み切った。今回は、東欧の小国モルドバに対して、サイバーセキュリティ支援のため60万ドル(約9500万円)を国連開発計画(UNDP)経由で拠出するという内容だ。
対象はモルドバ国内の司法機関。プロジェクト名は「サイバーセキュリティ・レジリエンス強化」とされ、2026年3月までの長期スパンで進められる。支援の柱は、内部のセキュリティポリシーやプロトコルの整備、そして関係職員への研修だ。
このプロジェクトの背景には、モルドバの司法制度が抱える脆弱性と、ロシアの影響力に晒される政治的リスクがある。日本はこのタイミングで「司法の透明性」や「デジタル強靭性」というキーワードを掲げて、国家の根幹ともいえる制度改革に手を貸すという構図だ。
本当に“国益”があるのか?支援に対する違和感
だが、このニュースを見て疑問を抱く人は少なくないだろう。なぜ今、モルドバなのか? なぜ60万ドルもの資金を日本が出すのか? 日本国内の景気が低迷し、物価高で苦しむ家庭が増える中、海外への支援は「まずは国内をどうにかしてくれ」という声が出るのも当然だ。
「60万ドルあったら国内の小中学校のパソコン環境整えられるだろ」
「また海外にばら撒き。減税とか国内支援はいつやるの?」
「モルドバの司法改革より、日本の司法改革の方が必要じゃない?」
「これって誰が喜ぶの?結局は外務省の実績作りでしょ」
「援助したって、日本企業の進出先になるわけでもない」
日本政府や外務省の説明では、「モルドバの民主化を支援することで国際的な安定に寄与する」といった常套句が並ぶ。しかしその説明が、日本の納税者の心に届いているとは言い難い。
外交戦略か、外務官僚のポスト確保か
今回のような海外援助は、実は日本の外交政策において「ソフトパワー」の一環とされている。だがその実態は、援助先の国で日本の国連職員や大使館関係者が“功績”を積み、国際機関での存在感を維持するための“外交内輪の論理”にも映る。
今回の支援がもしモルドバのサイバー司法分野に本当に貢献したとして、それが将来の日本にどう返ってくるのか。日本のIT企業がモルドバでビジネス展開する計画があるわけでもなく、安全保障上の戦略的パートナーとも言い難い。
さらに問題なのは、こうした海外支援がほとんど国会で議論されることなく、国民の関心も薄い中で粛々と進められてしまうということだ。国民が知らない間に「日本はこんな支援をしていました」と事後報告されるだけでは、民主国家としてあまりにも透明性が乏しい。
サイバーセキュリティ支援なら、まず日本国内でやるべきでは
モルドバへの支援内容を見ると、内部セキュリティ体制の構築や研修が中心で、そこに60万ドルが投じられるという。だがそれを聞いて思い出すのは、日本国内でも同じような問題が山積しているという現実だ。
自治体や中小企業のサイバーセキュリティ体制は極めて脆弱で、予算も人材も足りていない。マイナンバー関連の情報漏洩や、行政機関のメール誤送信が頻発する中、日本自身の「サイバー強靭化」が急務のはずだ。
「うちの市役所なんて、まだFAXだぞ」
「まず日本の病院や役所のITセキュリティ強化しろよ」
「地方に行ったら未だにWindows7とか普通にある」
「自治体の職員が標的型メールに引っかかるの、何回目?」
「行政のIT化が遅れてるのは国の責任じゃないの?」
60万ドルは決して巨額ではないかもしれない。だが、その60万ドルで日本の教育現場にセキュリティ教育を導入する、自治体のネットワークを更新する、中小企業のIT環境を底上げする──そんな用途なら、納税者も納得するだろう。
援助を否定はしない。だが“見返り”は説明してほしい
日本が国際社会で責任ある立場を果たすことは大切だ。だが、援助するなら「それが日本にどう利益として返ってくるのか」「誰の役に立ち、誰が責任を取るのか」という視点は絶対に欠かしてはいけない。
外務省も政府も、「援助=良いこと」と思い込むのではなく、国益という言葉を現実的に使ってほしい。そして援助の成果についても、何を達成し、どのような改善があったのか、国民に向けてしっかり説明する義務がある。
見えない相手への援助に、納税者が黙って金を出す時代はもう終わった。「その支援、本当に必要?」という疑問に、政府が正面から答える時だ。