2025-07-11 コメント: 1件 ▼
石破首相「現金給付は1回限りではない」物価対策に柔軟姿勢
物価上昇が賃上げを上回る間は給付継続も
石破茂首相は7月11日、山形市での参院選応援街頭演説で、物価高騰対策としての現金給付について「1回だけでは終わらない可能性」を改めて強調した。
物価の上昇が賃金の上昇を上回る時期がある。その間、困っている人に重点的に手当てするのが給付金だ
と述べ、家計の実情に即した継続的支援の姿勢を示した。
自民党は参院選公約で、住民税非課税世帯などを対象とした現金給付を盛り込んでおり、生活困窮層への物価高対策を最優先課題と位置づけている。
賃上げとのバランスを見ながら対応
党政調会長の小野寺五典氏も同日、ニッポン放送のラジオ番組で「来年以降、物価を上回る賃上げを目指す」と表明。そのうえで、
賃金が上がれば給付は不要になる。そこを目指すのが基本だ
と語り、現金給付を“つなぎの支援”として位置づけた。
つまり、石破政権は「給付+賃上げ」を両輪とし、物価上昇の影響を一時的に給付で和らげながら、中長期的には賃金水準の底上げで自立支援につなげる方針だ。
公明党は追加の減税や給付を要求
一方、連立与党の公明党・西田実仁幹事長は群馬県館林市の街頭演説で、アメリカの対日関税引き上げが発動された場合、景気の腰折れが起こりかねないと警戒感を示した。
経済状況次第では、これまでの対策では不十分だ。追加の減税や給付も含め、あらゆる手段を講じる必要がある
と訴え、物価と景気の動向をにらんだ柔軟な経済政策を求めた。
一時給付で終わらせず、中長期的対策を
石破首相が「現金給付は1回限りではない」と繰り返す背景には、2022年以降続く生活費の高騰に対し、一次的な給付では不十分という認識がある。
ガソリン・食品・電気代など基礎的な支出の負担増が続くなか、給付金の実施と終了のタイミング、賃上げや価格転嫁とのバランス、財源確保など課題も多い。
首相は「賃金が物価上昇を上回るまで、支援を惜しまない」との姿勢を鮮明にしつつ、選挙対策との批判も念頭に「構造的な改善」を見据えた政権運営が問われている。