2025-07-09 コメント投稿する ▼
石破首相「オスプレイは本当に役立つ」 佐賀配備に理解求めるも、住民からは疑問と不安の声
佐賀でオスプレイ配備進む 石破首相が現地入りし演説
石破茂首相は7月9日、参院選応援のため訪れた佐賀市内の演説会で、陸上自衛隊の輸送機V22オスプレイの配備について、「本当に役立つ輸送機。安全対策も万全」と語り、佐賀県民に対して理解を呼びかけた。
陸自のオスプレイ配備はかねてより地元の懸念を招いてきたが、首相自らが「災害時の救援体制強化につながる」とその意義を強調し、配備の正当性をアピールした。
当日は、佐賀駐屯地に隣接する佐賀空港に1機目のオスプレイが着陸。防衛省は、8月中旬までに千葉県木更津駐屯地に暫定配備していた全17機を佐賀へ移駐する計画だ。
「説明はいいけど、安全と言い切れるの?」
「何度も墜落してる機体に“安全”は説得力ない」
「災害救助の話はわかるけど、なぜ佐賀なのか」
「地元の声って、聞かれたようで聞かれてない気がする」
「“理解いただいた”って、誰がいつ納得したのか知りたい」
「本当に役立つ」その言葉に住民の温度差
石破首相は演説で、「多くの方に理解いただいた」と述べたが、現地ではまだ不安の声が根強く残っている。特に、オスプレイの過去の事故歴や、構造上の不安定さを指摘する声は少なくない。
オスプレイはヘリコプターのような垂直離着陸と、飛行機のような高速飛行が可能な機体で、米軍や自衛隊が導入を進めている。しかし、その一方で、開発初期から墜落事故やメカニカルトラブルが繰り返されてきたことから、「安全性の担保が不十分」との批判が続いてきた。
また、「理解を得た」とする政府の説明にも疑問の声がある。佐賀空港周辺ではこれまで住民説明会や意見聴取の場が設けられてきたが、「形だけ」「形式的」との指摘が絶えない。
佐賀配備の背景と今後の動き
オスプレイの佐賀配備は、政府による“南西防衛シフト”の一環だ。中国の海洋進出や有事への即応体制強化を名目に、九州地域での防衛拠点整備が進められている。
しかし、地元では「国防のために地方が犠牲になるのでは」との声もあり、配備計画は地元自治体と防衛省との協議を重ねて進められてきた。2023年には佐賀県が一定の受け入れ姿勢を示し、正式に移駐が決定した経緯がある。
今後は佐賀駐屯地の整備が本格化し、訓練飛行の頻度や騒音への対応、安全対策の具体化が課題となる。現地住民にとっては、「始まってから問題が起きては遅い」という懸念も拭えない。
防衛と地域の共存は可能か?
政府は「災害対応にも活躍する機体」としてオスプレイの多用途性を強調するが、それでも現場で暮らす人々にとっては、安全性と信頼性こそが最優先だ。
防衛と地域住民の共存をどう実現していくか。その鍵は、政治家の演説ではなく、継続的な対話と情報公開にある。