2025-06-24 コメント投稿する ▼
日本が支援したインドネシア保健センターが完成 地震被災地の母子医療を再建
インドネシアで日本の支援による保健センター整備が完了 母子支援の拠点に
日本政府が支援したインドネシア西ヌサ・トゥンガラ州スンバワ島での保健センター整備事業が完了し、現地で引渡し式が行われた。整備されたのは、2018年の地震で大きな被害を受けたスンバワ県ブエル郡ジュルマピン村の保健センター。これにより、妊産婦や乳幼児を中心に年間約800人が適切な医療サービスを受けられる体制が整った。
2018年の地震では、同郡やアラス郡、西アラス郡で9,000戸以上が被災し、医療インフラにも深刻な打撃があった。多くの保健センターが損壊し、住民は十分な医療を受けられず、特に妊婦や子どもたちへの支援が急務とされていた。
これを受け、日本の外務省は「草の根・人間の安全保障無償資金協力」として、カルティカ・スカルノ財団と連携し、6億ルピア(約500万円)の資金を供与。6つの保健センターの改修・再建と医療備品の整備、さらには地域住民へのカウンセリング研修も実施した。
「こういう支援こそが真の外交。現地の人の命を守ってこそ意味がある」
「被災から何年も経ってるのに、いまだに整備を日本がやってるのか…複雑な気持ち」
日本の無償資金協力がもたらす効果
今回の支援により、対象地域では年間約800人の母子が保健サービスを受けられるようになり、トラウマを抱えた住民約30人がカウンセリングを受けられるようになった。特に妊産婦や乳幼児のケアは深刻な課題であり、予防接種、母乳育児指導、栄養指導など、基礎的な医療の整備が求められていた。
こうした医療インフラ整備は、表面上の支援ではなく「人間の安全保障」に直接つながる重要な取り組みである。日本が進めるこの種の草の根支援は、現地政府や地域住民からの評価も高く、継続的なパートナーシップ形成に寄与している。
「物資だけでなく、技術と信頼を届けるのが日本のやり方。見習いたい」
「何にいくら使われてるのかをちゃんと公開してるのは好印象」
支援の影で問われる日本の外交資源の使い方
一方で、このような海外支援の在り方については国内でも議論がある。日本国内の社会保障や地方医療が危機に瀕している中で、海外への資金供与が妥当かどうか、疑問を呈する声も少なくない。特に近年は、減税や医療体制の再構築を求める国民の声が高まっており、「まずは国内に目を向けるべきではないか」とする意見が根強い。
外交による国際貢献を否定するものではないにせよ、使途の明確性や成果の可視化が今まで以上に求められているのは確かだ。国民の理解を得るには、単なる支出ではなく「何が改善されたのか」「どう日本の利益にもつながるのか」を示す必要がある。
「こういう支援が“感謝される日本”を作るのかもしれない。でも国内のことも頼むよ」
「支援疲れ」にならぬよう、外交の透明性を
国際協力は国の信用や国際的立場を築くうえで重要だが、それが国内の負担と感じられたとき、支持を失うリスクもある。特に日本の支援が「無償」であることに対しては、見返りの有無を問う声も出てきている。将来的な経済的関係、現地との人的交流、政治的信頼の積み上げといった視点を、より分かりやすく国民に提示すべきだろう。
今回の保健センター整備事業は、まさに地元住民の生活と命を支える支援だった。しかしそれが「どんな成果を出し、今後どう活かされるか」を国内にもしっかりと示さなければ、日本の支援は単なる「金だけ出す国」と見なされかねない。
外交支援は国の顔であり、信頼の証でもある。だがその支出は、国内の納税者が負担している以上、透明性と説明責任を徹底しなければならない。そうした視点に立ったとき、日本の外交資源の使い方もまた、見直しのタイミングに差し掛かっているのではないか。