2025-06-17 コメント: 1件 ▼
石破首相、トランプ大統領と会談 日米自動車関税交渉も合意遠く
G7サミットの舞台裏で日米トップ会談
カナダ・カナナスキスで開かれているG7サミットの会場で、石破茂首相とトランプ米大統領が16日午後(現地時間)に30分間の首脳会談を行った。焦点となったのは、米国が発動した高関税措置、特に日本車に対する25%の追加関税の見直しだ。
両首脳が会談に踏み切った背景には、米国による一連の通商政策が日米経済に及ぼす影響の大きさがある。とりわけ自動車は、両国が「基幹産業」として位置づける分野であり、その流通を阻害する関税の強化は、両国企業にとって深刻な脅威となっている。
石破首相は関税撤廃を改めて求めたものの、トランプ大統領は国内産業保護を最優先に掲げ、応じる姿勢を示さなかった模様だ。関係者の話では、両首脳は税率の一部見直しや、既存措置の延長・緩和といった調整案について協議を重ねたが、明確な合意には至らなかったという。
関税問題の本質は“同盟”のあり方
日米同盟が揺らいでいる――。今回の首脳会談をめぐる専門家の指摘は厳しい。米国が日本に課している24%の関税上乗せ分について、停止期限の延長なども視野に入れた協議が行われたが、両国の利害は真っ向から対立している。
米国は、自動車を中心とした輸入製品に関税を課すことで、国内産業の雇用と競争力を守る構えを崩さない。一方、日本は、貿易の自由とフェアなルールを重視し、「信頼と実績」に基づく経済協力の継続を訴えている。
この温度差は、単なる経済政策の違いにとどまらず、日米同盟そのもののあり方を問う問題にも発展しつつある。形式的な「同盟」よりも、実利を重視するトランプ流の外交姿勢は、日本に対しても例外ではない。
「米国第一主義に振り回されるだけの日本外交じゃ困る」
「これで同盟国って言えるの?片務的すぎる」
「税金で高い関税払わされて、それで経済成長とか笑えない」
「予想通り何も進んでいないということ。トランプ氏も困惑したでしょう」
「石破さん、毅然とした姿勢は良かったけど結果が出ないと意味ない」
石破首相の外交姿勢に評価と課題
今回の首脳会談で石破首相は、あえて対立を恐れずトランプ大統領に「撤廃」を直接求めた。これは、国内外から「物言う外交」として一定の評価を得ている。だが、結果として具体的な譲歩を引き出せなかったことは、野党や経済界からも「力不足」との声が漏れている。
また、今回の交渉がG7サミット中に実施されたことには、各国首脳が注視するなかでの日米交渉という側面もあった。仮に合意形成が実現していれば、「G7の成果」として国際的にも評価されるはずだったが、現状では「期待外れ」の印象が否めない。
ただし、関税引き下げの道が完全に閉ざされたわけではない。米国側も、日本との関係悪化による安全保障上のリスクや、多国間貿易秩序への影響は十分に認識しており、今後も水面下での交渉が続く見通しだ。
国内への影響と石破政権への評価
高関税が継続する場合、日本の自動車産業は価格競争力を削がれ、米国市場での販売に大きなダメージを受けることは必至だ。特に中小部品メーカーなど、サプライチェーン全体への波及は避けられない。
一方で、今回のような対米交渉で首相自らが矢面に立ったことは、石破政権の外交姿勢を印象づける場面ともなった。就任以降、「現場主義」や「実務重視」を掲げてきた石破氏にとって、トランプ氏との対話はその姿勢を国際舞台で試す機会でもあった。
外交における「結果主義」が問われる今、単なる会談の実施ではなく、具体的成果をどう国益に繋げていくかが問われている。特に日本国内では「減税による景気下支え」が求められるなか、こうした国際交渉の結果が経済政策に反映されるかどうかが、政権の評価にも直結するだろう。