2025-06-07 コメント: 2件 ▼
公約政府、東日本大震災復興に1兆9000億円確保 廃炉作業・帰還困難区域の整備に重点
政府、震災復興に1兆9000億円確保へ 次の5年を「最重要期間」と位置づけ
政府は6月、東日本大震災からの復興政策について、新たな基本方針案を発表した。2025年度(令和8年度)からの5年間を「復興に向けた課題を解決する極めて重要な期間」と定義し、これまでよりも踏み込んだ政策を進める方針を示している。総事業規模は約1兆9000億円に上る見通しで、前の5年間に比べて3000億円の増額となる。
政府はこの基本方針に基づき、廃炉作業の本格化や帰還困難区域の環境整備、除染土壌の最終処分などに力を入れる。また、復興庁の組織再編にも着手し、今後の長期的課題に対応できる体制を整備する。
財源1兆9000億円を確保、復興政策をさらに加速
政府が今回示した基本方針では、2025年度からの5年間を「第3期復興」とも位置づけ、これまでよりも実行力を伴った施策展開を目指す。注目されるのは、事業規模をこれまでの5年間の1兆6000億円から1兆9000億円へ拡大する点だ。
その財源は復興特別会計を中心に手当てされるが、一般財源や民間投資の呼び込みも視野に入れる。増額分は、主に福島第一原発の廃炉作業や除染土壌の処理、インフラの再整備に充てられる見通しだ。政府内では「財源ありきではなく、必要な施策を必要なだけ打つ」という姿勢が強調されている。
廃炉作業と帰還困難区域の整備が焦点に
震災から14年が経過した現在でも、福島第一原発の廃炉作業は依然として国家的課題だ。政府は2025年9月をめどに、燃料デブリの試験的取り出しを開始する計画で、これを第3期廃炉工程の柱に据える。
一方で、住民の帰還が叶っていない帰還困難区域では、森林整備やインフラ整備を含めた総合的な地域再生策を検討。今後は一定条件の下での自由利用も視野に入れており、居住再開に向けた環境整備が加速する可能性がある。
さらに、長年の懸案である除染土の県外最終処分についても、政府は「国の責任で取り組む」と明言。これまで進展がなかった問題に一定の進展が見られる可能性もある。
復興庁の役割見直しへ 原子力災害と津波災害を分担
政府は復興政策の実施主体である復興庁についても、機能の再整理を進める。具体的には、原子力災害への対応を福島復興局に集中させ、地震・津波で被災した地域については引き続き復興庁が中長期的な課題に取り組む体制とする。
今回の組織再編の狙いは、専門性と機動性の両立にある。一元的な管理から、課題ごとの分担体制へ移行することで、現場のニーズに応じた柔軟な政策対応が可能になる。
現行の復興庁は2021年に10年間の時限組織として再編された経緯があるが、政府はこの体制をさらに発展させ、次の10年を見据えた「恒常的復興行政」への移行を検討している。
今後の復興に問われるのは「定着」と「活性化」
復興の進展により、インフラや住宅の再建はおおむね完了したが、地域コミュニティの回復や産業の再生といった「ソフト面の復興」はなお途上だ。特に福島県を中心とした地域では、若年層の流出と高齢化が加速しており、政府の施策が地域定着にどこまで寄与するかが問われる。
また、避難者支援や心のケアといった非物質的な支援についても、今回の基本方針には盛り込まれており、引き続ききめ細やかな対応が求められる。
震災発生から14年という節目を迎え、政府は「被災者の心に寄り添う復興」を掲げる。しかし、政治の側がどれだけ予算をつけ、制度を整えても、最終的に地域に残るのは住民の暮らしと声だ。今後の復興施策においては、単なる「建設」ではなく、「共生」や「継続可能性」に重点を置いた政策展開が鍵となるだろう。
* 政府は2025年度から5年間、復興事業に総額1兆9000億円を投入する方針を決定
* 福島第一原発の燃料デブリ回収を進め、廃炉作業の第3段階へ
* 帰還困難区域の森林整備やインフラ再建により、住民帰還を後押し
* 除染土の県外最終処分問題は国の責任で取り組む方針を表明
* 復興庁の組織を再編し、災害種別に対応可能な体制へ移行
* 地域の「定着」と「再生」が今後の復興政策の鍵
ネットユーザーの反応
「1兆9000億円の使い道、しっかり見張っていきたい」
「ようやく帰還困難区域の整備が本格化。家に戻れる人が増えてほしい」
「福島第一の廃炉計画、ずっと先送りだったから進展を期待する」
「除染土の処分を国がやるのは当然。遅すぎるくらい」
「インフラじゃなくて人の暮らしをどう守るのか、それが一番大事」
この投稿は石破茂の公約「東日本大震災をはじめ、能登半島地震を含む多くの大規模災害の被災地の復旧・ 復興に全力で取り組みます」に関連する活動情報です。この公約は71点の得点で、公約偏差値65.6、達成率は23%と評価されています。