2025-06-04 コメント投稿する ▼
地方創生の起爆剤に 北陸・熊本・沖縄など5地域がスタートアップ拠点に選定
地方から技術革新を スタートアップ拠点が新たに5地域で始動
内閣府は6月4日、新たに5つの地域を「スタートアップ・エコシステム拠点都市」に選定した。対象となったのは、「北陸」「長野×新潟」「瀬戸内」という広域連携エリアと、熊本県、沖縄県。いずれも地域の特色を活かし、起業環境の整備と新たな産業の創出に力を入れるという。今回の選定で全国の拠点数は13カ所となった。
それぞれの地域に見る産業の可能性
新たに選ばれた地域には、個性ある産業資源が存在する。たとえば北陸エリア(富山、石川、福井)には医薬や精密機器などの高度製造業が根づいており、その技術力を土台にスタートアップを育てようとしている。
「長野×新潟」はものづくりやフードテックに注目。長野の精密技術と新潟の食品加工分野の強みが組み合わされ、持続可能な食や地域産業の発展が期待される。
瀬戸内(岡山、愛媛)では、古くからの造船業や水産養殖のノウハウを活かし、ブルーエコノミー関連の事業展開が進められる見通しだ。
熊本県では世界的な半導体関連企業の進出を追い風に、次世代エレクトロニクスに関連した起業支援が始まる。沖縄県では観光業に加え、近年注目を集めるヘルスケア分野でのスタートアップ誘致と育成に力を入れるという。
“地方から世界へ”というビジョン
内閣府が掲げるのは、地方から世界に通用するスタートアップを輩出すること。2020年にはすでに東京、名古屋、福岡などの8地域を拠点に選定済みで、今回の追加により、より多様な地方発イノベーションの可能性が広がる。
また、政府は研究開発型スタートアップへの資金支援を強化する方針で、国のSBIR(中小企業技術革新支援)制度に基づく補助金額を2025年度に570億円規模まで拡充。実践的な起業教育の受講者数も1,200人を目指し、国内外に通用する人材の育成を進める。
ネット上の声 期待と疑問が交錯
拠点選定の報を受け、SNSではさまざまな意見が飛び交っている。
「地方の強みを活かす支援策、これは本当に意味がある取り組みだと思う」
「沖縄のヘルスケア分野って意外だったけど、確かに伸びしろありそう」
「熊本の半導体戦略とリンクしてて納得。起業するなら今かも」
「長野と新潟がフードテック?地味だけど面白そう」
「ちゃんと地元企業とも連携してやってほしい。東京のベンチャーが看板だけ出すようなのは違う」
こうした声からは、地域の独自性に期待する一方で、具体的な支援策の実効性を見極める目もあることがわかる。
地域経済とスタートアップの共生がカギ
今回の選定で注目すべきは、単なる起業支援にとどまらず、既存の地場産業との融合が意識されている点だ。地域資源を基盤にしながら、AIやIoT、バイオなどの先端分野とつなげることで、新しい価値創出の芽が育ちやすくなる。
地方創生が叫ばれて久しいが、本当に必要なのは“その土地でしか生まれない”新たなビジネスの展開だ。スタートアップが根づき、雇用を生み、地域の誇りとなるか。その成否は今後数年の取り組みにかかっている。