2025-06-02 コメント投稿する ▼
戸籍の「中国」表記が「台湾」へ 台湾出身者の尊厳を守る歴史的改正
戸籍に「台湾」表記が可能に 台湾出身者の尊厳回復へ大きな一歩
台湾出身者の戸籍に記される「国籍」表記が、ついに「中国」から「台湾」へと変更可能になった。5月26日、戸籍法施行規則の改正により、「国籍」欄は「国籍・地域」に名称が変更され、台湾出身者の出身地表記も見直せるようになった。これにより、長年にわたり違和感や不満を抱えてきた台湾出身者の間に、静かな感動と安堵が広がっている。
「中国」表記からの脱却 背景には1964年通達
これまで日本では、台湾出身者の戸籍上の出身地や国籍欄に「中国」と記されていた。これは1964年の法務省通達に基づくもので、当時の日本政府が中華民国(台湾)を「中国」として扱っていたことに由来する。しかし1972年の日中国交正常化以降、日本は中華人民共和国を唯一の「中国」と認定しているにもかかわらず、台湾に関する戸籍表記だけが修正されないまま放置されていた。
日華議員懇らの尽力と制度改正の動き
この問題に対応すべく、超党派の「日華議員懇談会」は2022年に戸籍表記に関するPT(プロジェクトチーム)を設立。座長に就任した滝波宏文議員らが中心となって、法務省との水面下での調整を続けてきた。今回の改正は、戸籍に氏名のふりがなを追加する制度改修に合わせて行われたもので、表記変更の実現に大きな役割を果たした。
福井県に住む台湾出身者の一人は、表記変更の申請を市役所に届けた際、「やっと『中国』ではなく『台湾』と書ける。もっと早く変えてほしかったけど、本当にうれしい」と語っている。また、「実家の両親に戸籍のコピーを送りたい」と話し、これがいかに個人の誇りや家族への思いに深く関わる問題だったかを物語っている。
個人の尊厳、外交上の含意も
この表記変更は、単なる記載変更にとどまらない。日本に帰化した台湾出身者にとっては、自らのルーツやアイデンティティが尊重されるかどうかという、人権と尊厳の問題でもある。滝波議員は、台湾の立法委員(国会議員に相当)が自身の戸籍に「中国」と書かれた事例を挙げ、「これは到底納得できない」と指摘した。台湾メディアもこの改正を歓迎しており、「台湾は中国ではない」というメッセージが制度上でも明示されたことに注目している。
ネット上の声:「長年の悲願がようやく叶った」
「やっと『中国』ではなく『台湾』と書ける。もっと早く…との思いもあるが、うれしい」
「台湾は中国ではない。自分の故郷を他人に“俺の家だ”と主張される気分だった」
「ようやく国籍の欄が正しくなった。日本も少しずつ変わっている」
「台湾出身者の心の中のモヤモヤが晴れたんじゃないかな」
「日本政府が台湾を尊重する姿勢を見せたことに意義がある」