2025-05-23 コメント投稿する ▼
日本の円借款が支えたインドネシア国立イスラム大学医学部、創設20周年の節目を迎える
国立イスラム大学ジャカルタ医学部が20周年 日本の支援が礎に
インドネシアの国立イスラム大学ジャカルタ医学部が、設立から20年の節目を迎えた。2025年5月17日に行われた記念式典では、同大学の関係者に加え、提携病院の関係者や卒業生、日本大使館の永井次席も出席し、盛大に祝福の意を表した。
この医学部は、2005年に誕生。日本の円借款による支援を受けて、校舎や学生寮、臨床実習施設などが整備された。当時としては、インドネシアのイスラム系大学において初の医学部設置であり、その意義は大きかった。日本の支援は建物だけにとどまらず、教育の質を高めるために、教員が日本で博士課程の研究に取り組む機会も提供された。
式典に出席した永井次席は、「この20年の歩みは、日イ両国の教育・医療分野における信頼と協力の象徴だ」と述べ、今後の連携にも期待を寄せた。
建物だけでなく、人材も支えた日本の援助
このプロジェクトの特徴は、インフラ整備と人材育成の両面をカバーしていた点にある。大学キャンパスの整備だけでなく、指導者層の質を高めるために、日本の大学でのフェローシップ留学が実現した。
その結果、現在では同医学部の卒業生が現地の病院や保健機関、教育機関で活躍し、地域の医療を支える存在となっている。かつての留学経験者たちは、今では学内外で後進の指導にも当たっているという。
日本とインドネシアの教育連携、今後も発展へ
日本とインドネシアの関係は、経済や防衛だけではない。こうした教育分野での地道な協力が、信頼関係の礎を築いている。
今後もインドネシア国内での医療体制の強化、また教育の質の向上を支えるパートナーとして、日本の役割は小さくないだろう。特に、日本の経験を活かした医療人材の育成や研究交流への期待は高まっている。
* 国立イスラム大学ジャカルタ医学部が設立から20周年を迎え、記念式典が開催された。
* 日本の円借款により、2005年から施設整備と教員の博士課程留学などの支援が実施された。
* 同医学部はインドネシアで最初のイスラム系大学の医学部として、医療人材の供給源に成長した。
* 日本とインドネシアの教育・医療分野における協力は、今後も深化が期待される。