2025-04-30 コメント: 2件 ▼
日本、UNICEFに約57億円拠出 アフガニスタン女性に職業訓練支援で自立促進
アフガニスタンの女性に希望を届ける日本の支援
外務省が国連児童基金(UNICEF)に約3,900万ドル(約57億円)を拠出し、その一部がアフガニスタンの女性たちに向けた職業訓練事業に活用されていることが分かった。極端な貧困や早すぎる結婚といった深刻なリスクにさらされる中、女性たちは新たな技術を学び、自立への一歩を踏み出している。
UNICEFによれば、この事業では約200人の女性が読み書きの基本から始まり、カーペット織りや羊毛の紡ぎといった実践的なスキルを習得している。場所は、2021年にタリバンが再び支配を強めたアフガニスタン。女性の社会的立場が大きく後退する中で、日本の支援は現地で静かな力となっている。
アメリカの後退に、日本が代わりの支えに
アメリカのUSAID(米国国際開発庁)は近年、アフガニスタン向けの支援を大きく削減。UNICEFもそれに伴い、現地の活動体制を縮小せざるを得なかった。そうしたなか、日本政府が令和6年度補正予算から拠出した約3,900万ドルが大きな意味を持っている。
この資金はアフガニスタンを含め、アフリカ、中東、東南アジアなど29カ国の支援に充てられる。紛争や経済危機のなかにある地域で、子どもや女性を中心とした人道支援の生命線となっている。
「自分の未来に希望を持てた」―女性たちの声
UNICEFの現地スタッフによると、訓練を受けた女性の多くが「人生が変わった」と語るという。19歳のルキアさんは「これまでは何もすることがなく、未来が見えなかった。でも、今は自分の手で道を切り開けると感じている」と話す。彼女は今、自分の作ったカーペットを地元の市場で売るまでになった。
女性たちが得たのは単なる技能ではない。尊厳、そして自らの人生を選ぶ力だ。
国際社会で信頼される日本の役割
UNICEF東京事務所のロベルト・べネス代表は「日本の寛大な支援のおかげで、命を守る活動を継続することができています。子どもや女性を決して取り残さないという日本の姿勢に、心から敬意を表します」と述べた。
国際社会では、日本のこうした“静かな支援”に対し高い評価が寄せられている。人権や人道に立脚した外交姿勢は、日本の信頼と存在感を支える大きな柱だ。
- 日本政府はUNICEFに約3,900万ドルを拠出。
- USAIDの支援縮小により、日本が重要な代替資金を提供。
- アフガニスタン女性約200人が職業訓練を受け、自立への道を歩む。
- UNICEFは日本の支援を「命を守る力」と高く評価。