2025-04-21 コメント投稿する ▼
EV充電規格が日米貿易交渉の火種に 日本政府は「非関税障壁」批判に慎重対応へ
日米貿易交渉、EV充電規格が焦点に
政府は、トランプ政権下での関税措置をめぐる日米交渉において、アメリカ側が「非関税障壁」として問題視する電気自動車(EV)の充電規格について、具体的な対応が必要かどうか慎重に精査する方針を示した。
米国の懸念と日本の対応
米商務省は、2025年版の海外貿易障壁報告書で、日本の自動車市場へのアクセスが困難であるとし、特にEVの充電規格「CHAdeMO(チャデモ)」が米国製の充電設備の導入を阻害していると指摘した。また、日本の高速道路のサービスエリアでの充電設備が米国製品に不利な条件で運用されているとも批判している。
これに対し、日本政府は、基幹産業である自動車分野での交渉において、安易な譲歩は避けるべきとし、次回の閣僚交渉に向けて方策を検討している。特に、EVの充電規格については、国際的な動向や技術的な整合性を踏まえた上で、慎重に対応を進める考えだ。
EV充電規格の国際的な動向
現在、EVの充電規格は地域ごとに異なり、日本ではCHAdeMO、欧州ではCCS2、米国ではCCS1やテスラ独自のNACS(北米充電規格)が主流となっている。これらの規格の違いが、各国の市場アクセスに影響を与えている。
日本では、CHAdeMO規格に準拠した充電設備に対して補助金が支給される制度があり、これが他国製の充電設備の導入を難しくしているとの批判がある。一方、米国では、テスラがNACSを公開し、他の自動車メーカーもこれを採用する動きが広がっている。
こうした中、日本と中国は次世代の急速充電規格「ChaoJi(チャオジ)」を共同開発しており、国際的な規格統一に向けた取り組みが進められている。
政府の今後の対応
政府は、EVの充電規格に関する国際的な動向や技術的な整合性を踏まえ、国内外の利害関係者と連携しながら、適切な対応策を検討していく方針だ。特に、国際的な規格統一に向けた取り組みや、国内の充電インフラの整備状況を考慮し、米国との交渉に臨む考えである。
また、加藤財務大臣は今週、ワシントンを訪問し、現地時間の24日にベッセント財務長官と会談を行う予定で、為替分野などをめぐって協議が行われる見通しだ。政府は、先に設けたタスクフォースを中心に情報を共有しながら、万全の対応をとる考えである。
- 米商務省は、日本のEV充電規格「CHAdeMO」が米国製品の導入を阻害していると指摘。
- 日本政府は、EV充電規格の国際的な動向を踏まえ、慎重に対応を検討。
- 日本と中国は、次世代急速充電規格「ChaoJi」を共同開発中。
- 加藤財務大臣は、米財務長官との会談で為替分野などを協議予定。
- 政府は、タスクフォースを中心に情報を共有し、万全の対応を図る方針。