2025-04-15 コメント投稿する ▼
石破首相、万博外交を本格始動 トルクメニスタンと経済・エネルギー連携で一致
今回の会談は、万博の開幕に合わせた最初の首脳級会談となり、石破政権が万博を通じて各国との関係を強化していく方針の象徴といえる。
友好の第一歩に――トルクメンの“トップバッター”参加を歓迎
会談冒頭、石破首相は「トルクメニスタンは、友好と信頼を土台にした重要なパートナーだ」と語り、大阪万博でトルクメニスタンがナショナルデーの“トップバッター”を務めたことを歓迎。「日本とトルクメニスタンの関係をさらに高めていきたい」と意欲を見せた。
これに対し、ベルディムハメドフ大統領も「日本との交流を非常に大切にしている」と応じ、今後の経済連携や文化交流への期待をにじませた。
エネルギー・経済連携で実利を模索
両国は、天然ガスのガソリン転換(GTG)技術や、アンモニア・尿素など化学肥料関連施設の建設など、具体的な経済協力についても言及。日本側が持つ高度な技術と、トルクメニスタンの豊富な天然資源とを組み合わせる形で、実務レベルでの連携強化を加速させる構えだ。
特にトルクメニスタンは、世界有数の天然ガス埋蔵国として知られており、日本にとっても中長期的なエネルギー安定確保の観点から重要なパートナーだ。
「自由で開かれた国際秩序」で一致
外交・安全保障面でも、両首脳は「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序」の重要性を強調。共同文書では、国連憲章や国際法の原則を再確認するとともに、中央アジア地域の安定的な発展を後押しする意志を示した。
ロシアや中国との結びつきが強い中央アジア諸国に対し、日本は「対話と協力」の枠組みを通じて着実に関係を築いてきた。今回の会談もその延長線上にあり、石破政権が目指す「多極的な外交戦略」の一環といえる。
10月の閉幕まで“首脳外交ラッシュ”へ
石破首相は今後も、万博を契機に各国の首脳らとの会談を相次いで行う方針だ。10月の閉幕までに、欧州・アジア・アフリカ諸国とのトップ会談が予定されており、経済安全保障や気候変動、技術協力など、幅広い分野での議論が見込まれる。
万博という“外交舞台”をどう活用し、どこまで成果を引き出せるか――。石破外交の手腕が問われる日々が続く。