2025-04-10 コメント投稿する ▼
石破首相、「アニメや映画は半導体に匹敵」 海外展開へ本格支援
- 政府は映画やアニメなどのコンテンツ産業の海外展開を強化へ
- 海外売上目標は現在の約4倍、20兆円規模を想定
- 2025年の「骨太の方針」に具体策を明記予定
- 石破首相「サポートはするが中身には口を出さない」
- 是枝監督「官と民が緊張感をもって協力できる姿勢が示された」
文化を輸出産業に 官邸で熱い議論
この日の会合には、映画監督の是枝裕和氏、アニメ監督の庵野秀明氏らが出席。日本が誇る文化コンテンツを、いかに世界へ届けるかについて活発な意見が交わされた。石破首相は「創造性という無形の価値が、これほど経済と社会にインパクトを与える時代はない」と語り、コンテンツ産業を国家戦略の柱に位置づける考えを示した。
海外市場で20兆円を狙う政府戦略
政府は、現在約5兆円にとどまるコンテンツ産業の海外売上高を、将来的に20兆円規模へと引き上げる目標を掲げている。そのための支援策として、以下のような柱を想定している。
- 映画祭・見本市出展などの国際プロモーション支援
- 海外展開を志すクリエイターへの資金援助
- 海賊版対策など知的財産の保護強化
- 現地市場の理解を深めるための人材育成
「中身に口出ししない」は約束
会合後、是枝監督は報道陣に対して「石破首相からは『政府は支援はするが、コンテンツの内容には口を出さない』という明言があった。民と官が緊張感を持って関係を築ける姿勢が確認できた」と語り、支援と自由のバランスに一定の安心感を示した。
今後の課題は“実効性”
一方で、業界内では「支援が机上の空論に終わるのでは」という懸念の声もある。とくに、海外市場では作品の配信ルートや収益構造が日本とは大きく異なるため、的確な戦略立案が求められる。官民がどう歩調を合わせていくのか、これからの制度設計と実行力が試されることになる。
日本の文化が世界に羽ばたくために、政府の後押しは確かに心強い。ただし、それを生かすかどうかは、クリエイターと民間企業の手にかかっている。コンテンツを“稼げる産業”に育てる試みが、いま本格的に動き出した。