2025-04-08 コメント投稿する ▼
「在留期限切れで口座凍結」 三菱UFJ・みずほが出金停止措置 詐欺対策で警察庁が要請
背景には、在留資格を持つ外国人から不正に譲渡された口座が、特殊詐欺などの犯罪に使われるケースが後を絶たないという事情がある。警察庁は2023年12月、全国の金融機関に対して、在留期間に応じた口座管理の強化を要請していた。システムの改修や運用の調整を経て、今後ほかの金融機関にも同様の措置が広がる見通しだ。
なぜこんなことに?
この問題の背景には、他人名義の口座を悪用する詐欺事件の急増がある。とくに、在留外国人の名義で開設された口座が、特殊詐欺やマネーロンダリングに利用される例が増えており、警察は強い警戒感を持っている。
政府は昨年6月に「国民を詐欺から守るための総合対策」をまとめ、その中で「外国人の在留期間に応じて口座管理を強化する」方針を明記。これを受け、警察庁は金融庁、出入国在留管理庁と連携し、全国の金融機関に対して新たなルール導入を呼びかけていた。
銀行で何が起きているのか
実際の対応として、在留期間が満了した状態で銀行側に情報が更新されていない場合、該当する口座は「出金停止」の対象になる。出金だけでなく、口座の利用全体に制限がかかる可能性もあるという。
ただし、在留期間を更新して正しく滞在を続けている人も多く、そうした人たちが「届け出をしていなかっただけ」で口座を使えなくなるケースも想定される。銀行では、「在留資格を更新したら速やかに届け出をしてほしい」と呼びかけているが、利用者にそのルールが十分に浸透していないのが現状だ。
利用者への影響と今後の課題
この措置はあくまで犯罪防止が目的だが、外国人にとっては「突然お金が引き出せなくなる」という困惑につながるおそれもある。とくに日本語が不自由な人や制度に不慣れな人にとっては、銀行からの通知も理解しづらく、混乱が広がる可能性がある。
金融機関としては、外国人利用者に対する説明体制やサポートを強化する必要があるだろう。また、制度の趣旨や手続きの方法を、多言語でわかりやすく案内することも今後の課題だ。
- 警察庁が2023年12月、金融機関に口座管理強化を要請
- 三菱UFJ銀行、みずほ銀行が出金停止措置を導入済み
- 在留期間が切れた外国人の口座に利用制限
- 在留資格を更新しても、銀行に届け出なければ口座凍結の恐れ
- 詐欺対策としては効果が期待される一方、正規滞在者の混乱も懸念
- 銀行による多言語サポートや周知強化が今後のカギに