2025-04-07 コメント投稿する ▼
石破首相「つなげなければ意味がない」 北陸新幹線・新大阪延伸に改めて意欲
石破首相は「リニア中央新幹線が新大阪までつながるのは相当先の話だ。だからこそ、北陸新幹線をしっかり新大阪までつなげたい。鉄道でも道路でも、つながっていなければ意味がない」と述べ、具体的なスケジュールよりもまず「つなぐことの意義」を強調した。
ルートは「小浜・京都」で確定済み ただし異論も根強く
北陸新幹線の延伸ルートについては、小浜市や京都市を通る「小浜・京都ルート」が正式に採用されている。2023年末、石破首相は衆院代表質問でも「速達性や利便性を総合的に考慮し、このルートに決定されたと承知している」と述べており、政府としての基本方針は変わっていない。
一方で、このルートをめぐっては自民党内や専門家の間でも異論が残っている。特に京都市内のルート案に関しては、建設費の増加や工期の長期化が懸念されており、2024年には「東西案」「南北案」「桂川案」といった選択肢が公表された。いずれの案も京都駅に接続することを前提としているが、工事の難易度が高く、環境影響評価(アセスメント)も進んでいない。
再検討求める声も 一部専門家は「抜本的見直し」を主張
このルート選定に対し、再検討を求める声も根強い。京都大学名誉教授の中川大氏は、「小浜ルートが選ばれたのは京都駅に接続するという前提があったから。京都駅を通らないなら、それは新しいルートとして再評価すべきだ」として、計画の根本的な見直しを求めている。
着工にはなお壁 環境アセスや地元調整がカギ
延伸区間の着工には、環境アセスメントの完了が不可欠であるほか、地元住民との調整も避けて通れない。特に京都市周辺では調査や工事に対する反対運動も起きており、国とJR西日本、自治体の三者間での丁寧な説明と合意形成が求められている。
- 石破首相は北陸新幹線の新大阪延伸について「一日も早い方途を実行したい」と強調。
- 「鉄道はつなげなければ意味がない」として、全線開通の意義を改めて訴えた。
- 現在の計画ルートは「小浜・京都」経由だが、自民党内や一部専門家から再検討を求める声もある。
- 環境アセスメントや地域住民との調整が難航しており、実際の着工時期は見通せていない。
- 国は今後、地元との対話を深めながら、整備計画を進めていく方針。