2025-03-27 コメント: 1件 ▼
109.30億円の円借款締結 – ドミニカ共和国の農業金融改善でフード・バリューチェーン強化
■ ドミニカ共和国の農業の現状
ドミニカ共和国における農業は、国内総生産(GDP)の約10%を占めており、国内の約25%が農業に従事しています。農業は同国にとって非常に重要な産業ですが、近年はさまざまな課題に直面しています。特に、輸入品との価格競争や、肥料の価格高騰などが影響を及ぼし、生産性向上と付加価値の向上が急務となっています。
さらに、農業事業者、特に中小規模の農家にとって、フード・バリューチェーンを強化するための設備投資や、農産物の加工、輸送、販売に必要な長期的な融資へのアクセスが大きな課題となっています。このような課題を解決するため、円借款を通じて支援を行うことが決まりました。
■ 円借款の目的と内容
今回の円借款は、ドミニカ共和国の農業銀行を通じて、中小規模の農業事業者や農業組合向けに融資制度を強化することを目的としています。これにより、農業セクターにおける金融アクセスが改善され、フード・バリューチェーンの強化が図られます。最終的には、ドミニカ共和国の農業セクターの発展を支援し、経済成長に貢献することが期待されています。
■ 供与条件
- 金利:年2.40%(コンサルティングサービス部分は0.40%)
- 償還期間:30年(うち10年の据置期間を含む)
この円借款は、開発途上国に向けた支援の一環として、低金利と長期の返済期間が特徴です。ドミニカ共和国にとっては、日本への返済を前提にしつつも、効果的な資金活用が期待されています。これにより、同国の自立的な発展が促進されることになります。
■ ドミニカ共和国の基礎情報
- 面積:48,442平方キロメートル(九州と高知県を合わせた広さ)
- 人口:約1,133万人(2023年現在)
- 一人当たりGNI:9,700米ドル(2022年)
■ 日本とドミニカ共和国の関係強化
この円借款による支援は、日本とドミニカ共和国の経済協力をさらに強化する一助となるでしょう。農業セクターの発展は、ドミニカ共和国にとって重要な課題であり、これに対する支援が進むことによって、持続可能な成長が期待されます。中小農業事業者が抱える融資の難しさが解消され、フード・バリューチェーンが強化されることで、今後の農業の発展が加速すると見込まれています。