2025-11-04 コメント投稿する ▼
石破茂前首相が退任後初インタビューで内閣自負も党内少数派の苦悩告白
自身の内閣について「気持ちのいい内閣だった」と自負する一方で、総裁選時の勝利背景や政権運営の困難について率直に語っています。 自身の内閣については「チームワークが良かった」と評価し、過去に属した内閣について「違うよなと思う内閣もなかったわけではない」と暗に比較していました。 この政策にみんなついてこいということで選ばれたわけではない**」との見方を示しています。
石破前首相が退任後初の動画インタビュー
「気持ちいい内閣だった」と自負も少数派路線に苦悩語る
石破茂前首相が2025年11月4日配信のユーチューブ番組で、10月21日の退任後初となる動画インタビューに応じました。自身の内閣について「気持ちのいい内閣だった」と自負する一方で、総裁選時の勝利背景や政権運営の困難について率直に語っています。
解放感とチームワークの良さを強調
ビデオニュース・ドットコムの神保哲生氏のインタビューで、石破氏は退任翌日の心境を「議員宿舎で迎えた。ものすごい解放感があった。日本国の森羅万象に責任を負わなくていいのは、こんなにのびのびすることかと思った」と振り返りました。
「石破さんお疲れ様でした、解放されて良かった」
「1年間よく頑張ったと思う、政権運営お疲れ様」
「高市政権より石破政権の方が良かったかも」
「ラーメン批判する人ってどんな人生送ってるんだろう」
「気持ちいい内閣って表現が素直で好感持てる」
自身の内閣については「チームワークが良かった」と評価し、過去に属した内閣について「違うよなと思う内閣もなかったわけではない」と暗に比較していました。
総裁選勝利は政策より選挙戦略
2024年9月の総裁選で高市早苗首相(当時は経済安全保障相)に決選投票で勝利した背景について、石破氏は「政策への賛同より、選挙に有利かみたいなチョイスも結構あったのではないか」と分析しました。さらに決選投票を振り返り「どっちの方が自分たちの選挙に有利かということで選ばれた。この政策にみんなついてこいということで選ばれたわけではない」との見方を示しています。
これは石破氏が総裁選で「アジア版NATO構想」や日米地位協定の改定を掲げていたものの、任期中に踏み込めなかった背景と関連しています。
警護下でもラーメン批判に愚痴
退任後も続く警護体制について愚痴をこぼしつつ、在任中のエピソードを披露しました。「総理在任中も最後の方に、ラーメン屋さんに行ったら『ラーメン食べてる暇があるんだったら仕事しろ』とか言われた。ラーメン食べに行って何が悪いんだと思うが、とにかく何をやっても批判する勢力はいる。今もいる」と述べています。
SNSでの評価についても「だいたい、ほめてくれるのが2割。3割はない」と明かし、「批判の声は組織的・計画的で、私の発信を読んで批判するなら分かるが、読んでも聞いてもないのに、批判するのがこんなにいっぱいいるのかと思った」と恨み節を吐いています。
自民党内は少数派と認識
政権運営について「やりたいこと100あるとすれば、できたのは10もない」と述べる一方、「この厳しい状況、少数与党の状況の中で、これ以上できただろうか。いやできなかっただろう」と自問自答しました。
自民党内の雰囲気について「人権や尊厳、リアリズムに基づいた平和論を重んじる考え方は、自民内で少数派だった。30、40年前の自民党と今の自民党は違う自民党という感じはすごくする」と党の変質を指摘しています。
高市政権への複雑な心境
高市政権について「政権の継続性があまりない。自民党の厳正な結果だが、本当にそうかと思う。冷静に、客観的に見て、路線が変わるならなぜかを自分なりに納得したい」と語り、複雑な心境を示しました。
神保氏が「石破さんなりに自民を正常に戻そうとしたが、志半ばに、高市政権という安倍晋三政権の流れをくむ政権に戻った」と指摘すると、石破氏は「そういうことでしょう」とうなずいています。
予算委を経ない解散の弁明
総裁選で「国民に判断材料を提供する」として予算委員会の議論を経てから解散する意向を示していたにもかかわらず、予算委を経ずに解散した理由について「とにかくすぐ解散だという人ばかりだった」と振り返り、「決めたのは私だ」と最終責任は認めています。
石破氏の発言は、政策実現の困難さと党内の力学、さらには現在の自民党への危機感を率直に表したものとなっています。退任後の解放感とともに、いわゆる保守本流に戻そうとしても議員の数も安倍政権のもとで当選した人の方が圧倒的に多いと党内理解の醸成の困難さもにじませました。