2025-10-31 コメント投稿する ▼
石破茂前首相、北関東3県の位置「西日本は分からない」 群馬の移住人気を語る
認定NPO法人ふるさと回帰支援センターの調査によると、2025年の移住希望地ランキングで群馬県が初めて首位となり、それまで4年間連続で1位を占めていた静岡県を抜きました。 同県の山本一太知事は、全35市町村がふるさと回帰支援センターの会員となり、受け入れ態勢を整備していることが成功の鍵になったと述べています。
石破茂前首相は2025年10月31日、前橋市で講演を行い、北関東の茨城、栃木、群馬3県の地理的位置について、西日本出身者の視点から率直な感想を述べました。自らの出身地である鳥取県を引き合いに出し、「こちらの方々もどちらが鳥取で、どちらが島根なのか分からないのと一緒だ」とユーモアを交えて語りました。この発言は、地域への理解を深めることの重要性を強調する文脈での発言とみられています。
群馬県が移住希望地で全国トップに躍進
前首相は講演の中で、群馬県が移住希望地として全国トップを獲得したことに触れました。認定NPO法人ふるさと回帰支援センターの調査によると、2024年の移住希望地ランキングで群馬県が初めて首位となり、それまで4年間連続で1位を占めていた静岡県を抜きました。同センターの窓口相談件数は6万1720件に達し、4年連続で過去最高を更新しています。
群馬県への移住相談では、20~30代の若年層からの問い合わせが顕著に増加しており、「仕事に追われるより、家族や自分の時間を大事にしたい」「災害の少ない地域に住みたい」といった声が聞かれています。首都圏からのアクセスの良さと自然環境の豊かさが、高い評価を得ているようです。
「転職なしで移住できるのが魅力。都内に通勤しながら田舎暮らしができるなんて理想的」
「群馬の教育費助成が充実してるから、子育て世代には本当にありがたい」
「新幹線で50分で東京に着くのに、こんなに自然があるなんて知らなかった」
「親の介護で地方に戻りたいけど、仕事も続けたい。群馬はそれが可能だから検討中」
「テレワークが浸透したから、わざわざ都内に住む必要がなくなった気がする」
同県の山本一太知事は、全35市町村がふるさと回帰支援センターの会員となり、受け入れ態勢を整備していることが成功の鍵になったと述べています。県は「転職なき移住」をアピール戦略の中心に据え、年間57回のセミナーを開催するなど、積極的に移住希望者をサポートしています。高崎駅から東京駅までが新幹線で約50分という利便性も、大きな強みとなっています。
前首相が過去に述べた「怖い」というイメージについて
石破前首相は、群馬県に関して過去に異なる表現を用いたことがあります。首相在任中の6月に前橋市を視察した際、「『怖い人がたくさんいそう』みたいなところがある」と述べ、一部で批判を浴びました。この発言の後、石破氏は「差別という意識は全くない」と釈明し、江戸時代の俠客・国定忠治に由来するイメージと、群馬の女性の強さを象徴する「かかあ天下と空っ風」という表現について説明していました。
群馬県の山本知事は、この発言について「悪意のカケラも感じない、石破さん独特のユーモアだ」とブログで述べ、むしろメディアに取り上げられたことで群馬県の知名度が上がったと肯定的に評価しています。実際に県内では、自虐的なネタとして「グンマー帝国」という表現も使われており、地元の受け止め方は寛容なようです。
北関東の地理的特性と経済的役割
茨城県、栃木県、群馬県からなる北関東地域は、東京への通勤圏内でありながら、豊かな自然環境を有する特性を持ちます。群馬県は絹産業で栄えた歴史があり、明治時代から「働く女性」というイメージが全国に定着していました。また、上州名物の「かかあ天下と空っ風」という言葉は、群馬女性の働き手としての評価を表すものです。
移住希望地ランキングでは、栃木県も3位にランクインしており、北関東地域全体への関心の高まりが見られます。首都圏の人口分散政策も進む中で、質の高い暮らしを求める層にとって北関東は有力な選択肢になりつつあります。石破首相の講演は、こうした地方創生の成功事例を示す格好の機会となり、地域の魅力発信の重要性をあらためて浮き彫りにしました。