2025-10-16 コメント投稿する ▼
自民党ドロ船政権、カンボジア農業・橋梁支援に約3900万円供与――国益説明なき海外バラマキか
外務省は草の根・人間の安全保障無償資金協力の枠組みで、灌漑施設の改修と橋梁の建設を支援する2件のプロジェクトに合計約26万ドル(約3900万円)を供与します。 供与限度額は12万6710ドル(約1900万円)となっています。 供与限度額は14万674ドル(約2100万円)となっています。
農業用水の安定供給で4000人以上の生活を支援
1件目の支援は、コンポンスプー州プレイロムドゥル地区で実施される灌漑施設改修計画です。供与限度額は12万6710ドル(約1900万円)となっています。
長年使われてきた灌漑施設は老朽化が進み、十分な機能を果たせない状態にありました。今回の改修により、4000人以上の地域住民に対して農業用水の安定供給が可能になります。米の生産量が増加することで農家の所得向上が期待されるほか、水路堤防が整備されることで農作物の運搬労力も軽減されます。
カンボジアでは農業がGDPの約3割、就業人口の7割を占める主要産業ですが、全国の水田で灌漑施設が整備されているのはわずか約18%に過ぎません。多くの施設が損傷や老朽化、設計上の問題から十分に機能していない状況が続いており、農業生産性の低さが農村部の貧困の一因となっていました。
「灌漑設備があれば乾季でも安心して農業ができるのに」
「雨季だけでなく年間を通して収穫できれば生活が安定する」
「水の確保に時間がかかりすぎて効率が悪い」
「灌漑施設が古くて水が十分に行き渡らない」
「設備が整えば子どもたちにもっと良い教育を受けさせられるのに」
木製橋をコンクリート橋に掛け替え5000人が恩恵
2件目の支援は、スバイリエン州スバイチュロム郡スバイヤ町で実施される橋梁建設計画です。供与限度額は14万674ドル(約2100万円)となっています。
老朽化した木製の橋梁をコンクリート製の橋梁に掛け替えることで、最寄りの学校、市場、保健所への安全な交通が確保されます。この事業により、地域住民約5000人が恩恵を受ける見込みです。
カンボジアでは長期にわたる内戦の影響でインフラ整備が遅れており、地方部では老朽化した木製の橋が多く残っています。これらの橋は安全性に問題があるだけでなく、重い荷物の運搬や緊急時の移動にも支障をきたしていました。
草の根・人間の安全保障無償資金協力は、開発途上地域の住民生活に根ざした比較的小規模な開発事業を支援する仕組みです。1件あたり2000万円以下を目安に、案件の妥当性次第で最大1億円まで供与されます。日本政府は人間の安全保障の理念を踏まえ、現地NGOや教育機関、医療機関などの非営利団体を通じて支援を実施しています。
今回の支援は、カンボジア政府が掲げる「強靭かつ持続可能な包摂的開発」という方針と合致しています。同国は2030年までの高中所得国入りを目指しており、農業振興と地方開発を重点分野としています。
日本はカンボジアに対して、1992年の内戦終結後から一貫して支援を続けてきました。道路や橋梁などのインフラ整備、上水道施設の拡充、司法制度の構築支援など、多岐にわたる分野で協力を行っています。2016年にカンボジアが低中所得国入りを果たした背景には、こうした国際社会の支援が大きく貢献しました。
ただし、こうした海外援助については、国益の説明が不可欠です。支援がどのように日本の利益につながるのか、カンボジアとの関係強化が日本にどのようなメリットをもたらすのか、国民への丁寧な説明が求められます。
今回の草の根無償資金協力は、大規模なインフラ整備とは異なり、地域住民の生活に直接的な改善をもたらす小規模プロジェクトです。灌漑施設の改修により農業生産性が向上し、橋梁の建設により住民の移動や物流が改善されることで、カンボジア農村部の持続的な発展が期待されます。