2025-10-16 コメント投稿する ▼
台湾海洋調査船新海研一號が与那国島沖EEZで無断調査、6月に続き再び確認
2025年10月16日午前9時頃、沖縄県与那国島沖の日本の排他的経済水域内で、台湾の海洋調査船「新海研一號」がワイヤのようなものを海中に延ばしているのを、海上保安庁の航空機が確認しました。 新海研一號は2025年6月にも、与那国島の西約48キロのEEZ内でワイヤのようなものを海中に延ばしているのが確認されていました。
与那国島南約90キロで調査船を確認
政府関係者によると、新海研一號は与那国島の南約90キロの地点で確認されました。海上保安庁の航空機が船尾からワイヤのようなものを海中に延ばしている様子を視認し、海洋の科学的調査を行っている疑いがあると判断しました。
日本の排他的経済水域内で外国船舶が海洋の科学的調査を行う場合、国連海洋法条約に基づき事前に沿岸国の同意を得る必要があります。しかし、新海研一號からは事前の同意申請はなく、無断での調査活動とみられています。第11管区海上保安本部は巡視船を現場に派遣し、調査の中止を求める方針です。
「また台湾の調査船が来たのか、何度目だ」
「日本のEEZなのに勝手に調査されて大丈夫なのか」
「与那国島は国境の島だから心配になる」
「台湾とは友好関係なのに残念な話だ」
「海洋資源の調査だとしたら問題だと思う」
2025年6月にも同様の活動
新海研一號は2025年6月にも、与那国島の西約48キロのEEZ内でワイヤのようなものを海中に延ばしているのが確認されていました。この時も海上保安庁の巡視船が無線で調査の中止を求めていましたが、応答はありませんでした。
さらに、2025年6月10日には与那国島の南約82キロの海域で、海上保安庁の巡視船が新海研一號を発見していました。この時も海洋調査の疑いがあるとみて無線で中止を要求しましたが、応答はなく、その後2025年6月11日午前0時30分頃にEEZ外に出たことが確認されています。
台湾の海洋調査船による繰り返される活動
新海研一號は台湾大学海洋研究所が管理・運営する海洋調査船で、2020年7月に台湾国際造船公司によって建造されました。総トン数は約2200トンで、造価は約6億台湾元です。船体サイズは全長66メートル、幅14.8メートル、排水量2155トンで、最大速力は14ノット、約40日間の連続活動が可能です。乗員数は47名で、うち研究者は28名です。
同船は台湾の国家科学及技術委員会が推進する「航向藍海」計画に基づき、西北太平洋の物理、生物及び地球化学研究を行うことを主な任務としています。しかし、日本のEEZ内での活動については、日本政府の事前同意を得ずに調査を行っているとして問題視されています。
2025年8月4日には、鹿児島県徳之島の西北西約355キロに位置する日本のEEZ内でも、新海研一號が船尾からワイヤーのようなものを海中に延ばしているのが確認されています。この時も海上保安庁の巡視船が無線で調査の中止を要求しましたが、その後、同船は地理的中間線の西側へ航過しました。
台湾側は重複海域と主張
台湾の国家科学及技術委員会は過去の事案について、「新海研一號の作業海域は台日重複海域である」と主張しています。台湾側は、鋼纜を使った採水瓶の吊放や水様及び浮游生物の採集など、科学研究の範疇であり侵略性質の活動ではないと説明しています。
しかし、日本側は未経許可の調査行為は日本のEEZ権益を侵害するものであり、国連海洋法条約に違反すると主張しています。台日間にはEEZの境界について一部重複する海域が存在しますが、日本政府は自国のEEZ内での無断調査は認められないとの立場を堅持しています。
与那国島周辺の海洋をめぐる状況
与那国島は日本最西端の島で、台湾との距離は約111キロです。地理的に台湾に近いため、周辺海域では台湾船舶の活動が頻繁に確認されています。また、中国も過去に与那国島南方の日本のEEZ内にブイを設置するなど、同海域での活動を活発化させていました。
2024年12月に中国が設置したブイは、2025年5月に撤去されましたが、与那国島周辺海域は日本、台湾、中国の海洋権益が交錯する地域となっています。日本政府は海上保安庁による警戒監視を強化し、EEZ内での外国船舶による無断活動に対しては厳正に対処する方針です。
今回の新海研一號の活動についても、海上保安庁は引き続き動向を注視し、必要に応じて調査の中止を求めるとともに、外交ルートを通じて台湾側に適切な対応を求めていくものとみられます。