2025-10-15 コメント投稿する ▼
米国が日本にロシア産LNG輸入停止要求 ベッセント財務長官が加藤財務相に
スコット・ベッセント米財務長官は2025年10月15日、ワシントンで開催した日米財務相会合で、日本がロシア産エネルギーの輸入を停止することへの米政府の期待について議論したことを明らかにしました。 ベッセント財務長官は同日、日本経済新聞などに対し、ロシアからのエネルギー輸入について「すべての国がほかから代替調達すべきだ」と述べ、日本にもロシアからのLNG輸入削減を求める考えを示唆しました。
すべての国に代替調達を要求
ベッセント財務長官は同日、日本経済新聞などに対し、ロシアからのエネルギー輸入について「すべての国がほかから代替調達すべきだ」と述べ、日本にもロシアからのLNG輸入削減を求める考えを示唆しました。米財務省は会談で日本による対米投資のほか「ロシアへの経済的圧力を強める主要7カ国の取り組み」を議論したと公表しました。
ベッセント氏はX旧ツイッターへの投稿で、加藤勝信財務相との会談で「日本がロシアのエネルギー輸入を止めることを期待している」と話し合ったことを明らかにしました。日本は石油とガスを海外からの輸入に大きく依存しており、エネルギー安全保障上の重要な課題となっています。
「米国の言いなりになってエネルギー危機になったらどう責任とるんだ」
「ロシアからのLNG止めたら電気代が上がる。庶民の生活を考えてほしい」
「代替調達って簡単に言うけど、それにはコストがかかる。誰が負担するの」
「日本のエネルギー安全保障を考えたら、選択肢は多いほうがいい」
「米国の要求ばかり聞いてたら、国益を損なう。もっと自立すべき」
日本は年間約66億円のLNG輸入
入手可能な最新の税関データによれば、2023年に日本はロシアの液化天然ガスの輸入に5820億円、約39億ドルを費やしました。これはLNG輸入総額の8.9パーセントを占めています。
加藤財務相はベッセント氏のコメントについて「他の閣僚の発言については控えたい」と述べ、明確な回答を避けました。その上で「ウクライナの公正な和平を実現するために、G7諸国と連携してできることをやっていく」と語りました。
日本政府はこれまでG7と歩調を合わせてロシアへの経済制裁に参加してきました。しかし、エネルギー資源に乏しい日本にとって、ロシア産LNGは重要な供給源の一つです。代替調達には時間とコストがかかり、電力料金の上昇など国民生活への影響も懸念されます。
インドも石油購入停止を約束
トランプ大統領は2025年10月15日、インドのナレンドラ・モディ首相がロシアの石油購入を止めると約束したと述べました。「すぐにはできない。少しプロセスが必要だが、そのプロセスはすぐに終わるだろう」とトランプ大統領は記者団に語りました。
モディ首相は以前、ロシアのウクライナ侵攻にもかかわらず、インドの歴史的パートナーであるロシアからの石油購入を擁護していました。トランプ大統領は2025年8月、インドの対米輸出関税を50パーセントに引き上げ、ウクライナでのロシアの戦争を煽っているとインドを非難していました。
日米貿易投資協定も議論
ベッセント氏は加藤氏と「日米貿易投資協定を通じて日本の対米戦略投資を動員する計画」についても議論したと述べました。ベッセント氏は元ヘッジファンド・マネジャーで、著名投資家ジョージ・ソロス氏のファンドで最高投資責任者を務めた経歴があります。
安倍晋三元首相が提唱した「3本の矢」の経済政策に着想を得たとされ、アベノミクスを分析して巨額の利益を上げた実績もあります。経済成長重視の政策運営を掲げており、日本との経済関係を重視する姿勢を示しています。
しかし、エネルギー安全保障は国益に直結する問題であり、米国の要求に簡単に応じることはできません。日本政府は慎重な対応を迫られることになります。