2025-10-09 コメント投稿する ▼
外免切替制度が10月から厳格化 住所要件と50問90%合格で安全重視へ
2025年10月1日から、外国で取得した運転免許を日本の免許に切り替える外免切替制度の審査が厳格化されました。 一方で、「これまで外免切替で免許を取得した人は本当に大丈夫なのか」という懸念も広がっています。 過去の審査が簡易だったため、基本的な交通ルールを十分に理解していないまま運転しているケースもあるとされています。
外免切替の厳格化が開始
2025年10月1日から、外国で取得した運転免許を日本の免許に切り替える外免切替制度の審査が厳格化されました。背景には、短期滞在者がホテルなどの一時滞在場所で手続きを行えたことや、知識確認が簡易すぎたことへの批判がありました。
今回の見直しで、住所要件と知識・技能の確認が新規取得と同等レベルへ引き上げられました。交通ルールの理解不足による事故懸念が指摘されてきた中で、制度の適正化を図る狙いです。
住所確認は「短期滞在不可」へ
手続きには、実際の居住を裏づける書類が求められます。原則として住民票の写し等がない短期滞在者は申請できません。従来のように、一時滞在施設の所在地を事実上の居住地として扱う運用は認められない運びです。
これにより、短期滞在でのドライバー増加がもたらすリスクを抑え、地域交通の安全性を高める効果が期待されます。法の下の公平性を担保しつつ、生活実態に沿った運転資格の付与へと基準が整いました。
知識・技能の基準は大幅引き上げ
知識確認はイラスト中心の10問から、文章中心の50問へ拡大され、合格基準は70%以上から90%以上に引き上げられました。内容は道路標識、優先関係、夜間・悪天候の注意事項など、基礎に加えて実用面を重視します。
技能確認も、横断歩道の通過場面や合図不履行、右左折方法違反などが厳格に採点されます。場内走行の基本だけでなく、危険予測や歩行者優先の確実な理解が問われる構成です。
「観光のついでに切替できる時代ではない」
「基準が上がって安心した。通学路が安全になる」
「50問・9割合格は妥当。交通は命に関わる」
「横断歩道課題は実践的で良いと思う」
今後の焦点――既取得者の再確認を求める声も
一方で、「これまで外免切替で免許を取得した人は本当に大丈夫なのか」という懸念も広がっています。過去の審査が簡易だったため、基本的な交通ルールを十分に理解していないまま運転しているケースもあるとされています。
「制度を厳格化するなら、すでに発行された免許も再確認すべきだ」
「安全確保のためには、少なくとも知識確認の再試験を導入してほしい」
こうした声を受け、識者からは段階的な再チェック制度の導入を求める提言も出ています。たとえば、過去5年間に外免切替で取得した免許保持者を対象に、交通ルール確認講習やオンライン再確認テストを実施する案などです。
国や自治体が一律に再試験を課すのは難しい面もありますが、一定期間ごとの安全講習や、違反履歴に応じた個別指導などの仕組みを検討することが現実的な方向性といえます。目的は処罰ではなく、「安全知識の再定着」にあります。
厳格化の背景と今後の課題
今回の見直しは「外国人排除」が目的ではなく、交通安全と制度の公平性を守るための措置です。経済財政運営と改革の基本方針2025(骨太の方針)にも、外免切替の審査厳格化が明記されています。
一方で、在留資格を持つ外国人労働者や留学生が運転できなくなることで、生活や仕事に支障をきたす懸念もあります。したがって、再教育と案内体制の充実を並行して進めることが欠かせません。
運転免許センターや警察庁の窓口には、外国語対応の拡充や事前予約制度の明確化が求められます。審査強化によって一時的に不合格が増えても、再挑戦の機会を保障すれば、結果として交通意識の底上げにつながると期待されています。
厳格化の目的は、事故の未然防止と地域の安心です。制度運用の検証を定期的に行い、実態に即した改善を続けることが、交通安全と受入れの両立につながります。