2025-10-09 コメント投稿する ▼
石破茂政権、モンゴルに無償資金協力 高等教育で技術者育成を後押し
自由民主党(自民党)政権は、モンゴル国の高等教育で技術者育成環境を整えるため、約USD12.26百万(18億6,900万円)の無償資金協力を実施します。 日本政府は2025年10月8日、ウランバートルで駐モンゴル日本国特命全権大使・井川原賢氏と大蔵大臣・ボルド・ジャブフラン氏が、日本型工学系高等教育による技術者育成環境整備計画に関する交換公文へ署名しました。
自民党政権、モンゴルの高等教育に無償資金協力 石破首相「技術立国の礎を支える支援に」
自民党政権は、モンゴルの高等教育における技術者育成を後押しするため、総額18億6,900万円の無償資金協力を行うことを決めた。モンゴルでは、資源依存型経済から脱却し、技術力で産業を支える国づくりが課題となっている。
10月8日、ウランバートルで日本の駐モンゴル大使とボルド・ジャブフラン財務大臣が交換公文に署名した。今回の協力は「日本型工学系高等教育による技術者育成環境整備計画」と題され、首都の3つの高等専門学校に新たな実習棟を建設し、実習機材を整備する。
教育こそ未来への最大の投資だ。支援というより、共に成長する関係を築きたい
石破茂首相は会見でそう語り、「技術立国として日本が培ってきた教育の仕組みを共有し、両国の信頼を深めたい」と述べた。
モンゴルの若者が自らの力で国を動かすために
モンゴルでは若年層の高学歴化が進む一方、産業界が求める技術者が不足している。専門機器を扱える人材が限られ、企業が海外から技術を輸入せざるを得ない現状がある。日本政府は、こうした構造を改善するため、実践的教育を担う「高専型」教育の導入を支援する。
この仕組みは日本の高等専門学校制度を参考にしたもので、早い段階から実習や設計を重ね、理論と現場の橋渡しを行う教育モデルだ。実際に、実験機器の取り扱いや製図、情報工学などを学んだ学生が産業現場へ送り出されることで、モンゴルの経済基盤を支える力になると期待されている。
これからは自分たちで工場を動かし、設備を設計できるようになりたい
現地の学生からは、そんな声も聞かれた。日本の支援が、単なる資金援助ではなく、モンゴルの若者が自らの力で未来を築く一歩として受け止められている。
外交の舞台裏にある「価値観外交」
石破政権が掲げる外交方針の柱の一つが、「価値観外交」だ。自由、法の支配、人権といった普遍的価値を共有する国々との連携を重視する。その文脈で今回のモンゴル支援も位置づけられる。
モンゴルは中国とロシアに挟まれた内陸国であり、政治的にも経済的にも両大国の影響を強く受けている。日本が教育や人材育成を通じて関係を深めることは、民主主義的価値を支える「静かな戦略」として意味がある。
援助は一方的な支えではなく、信頼の積み重ねです。教育分野での協力は、最も誠実な外交だと思います
外務省関係者はこう話す。表立った政治的圧力を避けつつ、人材交流や教育支援を通じて地域の安定を支える姿勢は、石破政権の特徴でもある。
国内の声と説明責任
一方で、国内では「景気が厳しい中で海外に無償援助は妥当か」という疑問の声もある。石破首相は「支援の意義を丁寧に説明していく」としており、成果の見える化にも取り組む構えだ。
今回の協力は、教育現場の改善とともに、日本とモンゴルの人材交流を活発化させることを目指している。実習機材の提供や教員研修を通じて、卒業生が日本企業と協働する仕組みも視野に入る。日本の産業界にも新しい交流のチャンスが生まれる可能性がある。
数字ではなく、人の成長が外交の成果だ
首相周辺はそう語る。支援の先にあるのは、政治的な得点ではなく、人が育つ現場だという信念がにじむ。教育という“静かな外交”が、二国の未来をつなぐ架け橋になることを期待したい。