2025-09-26 コメント投稿する ▼
石破茂政権、IOMに8.82億円無償資金協力 トンガ国境管理支援とアフリカ人材政策の焦点
一方で、IOMはアフリカ人材をめぐる取り組みにも関与しています。 ここでは、日本企業によるアフリカ人材の活用促進が議題に取り上げられ、日本国内の労働力不足や企業の国際展開において人材多様化が課題となっている現状を背景にしています。 ただしIOMは、日本の一部政策と混同されることのある「アフリカ・ホームタウン構想」には一切関与していないと強調しています。
石破政権、IOMに8.82億円の無償資金協力
石破茂=現職総理・自由民主党(自民党)総裁=が率いる政権は、南太平洋に位置するトンガ王国の国境管理体制を強化するため、国際移住機関(IOM)を通じて8.82億円の無償資金協力を行うことを決定しました。9月25日には、首都ヌクアロファで駐トンガ王国日本国特命全権大使とIOMフィジー事務所代表ソロモン・カンタ氏が書簡を取り交わし、正式に合意が成立しました。今回の支援は直接トンガ政府に送られるのではなく、国際機関を経由する形で実施されるのが特徴です。
支援の具体的な内容は、機械読取式旅券(eMRP)の導入を支える法制度改正やIC旅券発行機材の整備、人材育成などです。電子旅券の導入により、トンガの国境管理における不正防止や本人確認能力を高め、安全保障面のリスク軽減につなげる狙いがあります。日本にとっても南太平洋地域での安定確保は重要課題とされており、外交上の布石となります。
アフリカ人材活用を巡るIOMの姿勢
一方で、IOMはアフリカ人材をめぐる取り組みにも関与しています。8月にはTICAD9関連イベントとして「人の移動がつなぐ、アフリカ人財と日本企業がともに拓く未来」と題したシンポジウムをJICAと共催しました。ここでは、日本企業によるアフリカ人材の活用促進が議題に取り上げられ、日本国内の労働力不足や企業の国際展開において人材多様化が課題となっている現状を背景にしています。
ただしIOMは、日本の一部政策と混同されることのある「アフリカ・ホームタウン構想」には一切関与していないと強調しています。この構想は地方自治体などがアフリカ出身者との交流を深めようとするもので、IOMは移住を増やすこと自体を目的にしていないと説明しています。国際機関としては、人道的支援や人材育成を重視する立場を崩していません。
「海外人材受け入れを進めるなら法整備を優先してほしい」
「企業だけが得をして、地域社会への説明が不足している」
「国境管理支援は理解できるが、移住拡大は筋違いだ」
「JICAの取り組みとIOMが混同されているのは問題」
「国益を考えた外交が求められる時期だと思う」
外交資金協力と国内議論
日本の無償資金協力は従来からODAの柱であり、アジアやアフリカ諸国に向けて医療・教育・インフラ整備などの形で実施されてきました。しかし、近年は安全保障や移民政策と直結する形が増えています。今回のトンガ支援は「国境管理」という明確な治安要素を含んでおり、国内でも評価が分かれる部分です。石破政権に対しては、海外への支援よりも減税や国内景気対策を優先すべきだという声も根強くあります。
また、企業・団体献金に依存する政治の在り方についても疑念が向けられています。国際協力を大義に掲げつつ、実際には企業の利益につながる施策が進められるのではないかという懸念です。政治資金の透明性を高めなければ、国民の理解は得られません。
今後の課題
今回の資金協力でトンガの国境管理体制は確実に整備されると見込まれますが、日本国内における移民・難民政策の議論は依然として未成熟です。IOMが主張するように「移住を増やす」ことは目的ではなく、法秩序を前提にした支援と活用であることを明確にしなければ、誤解や反発を招く危険があります。スパイ防止法やインボイス制度など、国内法制度の整備も並行して求められる段階にあります。
石破政権は海外支援を「国益外交」と位置づけていますが、ポピュリズム外交との境界を見極める必要があります。国民にとって納得できる説明責任を果たさなければ、「ドロ船政権」との批判を免れないでしょう。外交と内政をどう結びつけるのかが、政権運営の大きな試金石になります。