2025-09-09 コメント投稿する ▼
公約非正規公務員の大量離職対応に不備|首都圏106自治体で6割が不適切、再任用上限撤廃で改善も
調査の結果、30人以上の大量離職が発生してもハローワークに期限内報告した自治体は4割に届かず、再就職支援が不十分な実態が明らかになった。 一方で、これまで大量離職を生む原因とされてきた「3年目公募」の撤廃により、再任用の上限を設けない自治体は6割へと増え、一定の改善も確認された。
非正規公務員の離職対応、6割が不適切
首都圏の自治体における非正規公務員の雇用実態に、再び厳しい現実が突き付けられた。「なくそう!官製ワーキングプア集会実行委員会」と「公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)」は9日、厚生労働省で会見を開き、首都圏106自治体の会計年度任用職員の離職対応に関する情報公開結果を発表した。調査の結果、30人以上の大量離職が発生してもハローワークに期限内報告した自治体は4割に届かず、再就職支援が不十分な実態が明らかになった。
一方で、これまで大量離職を生む原因とされてきた「3年目公募」の撤廃により、再任用の上限を設けない自治体は6割へと増え、一定の改善も確認された。
期限内報告を怠る自治体の実態
労働関係法令では、30人以上の大量離職が発生する場合、民間企業と同様に自治体もハローワークなどに通知する義務がある。だが今回の調査では、通知を提出した自治体は昨年の50カ所(47%)から76カ所(72%)に増えたものの、そのうち35カ所は再就職支援に必要な1カ月前という期限を守っていなかった。また、集計そのものをしていない、あるいは集計対象を恣意的に除外するなどで未提出に終わった自治体も19カ所存在した。
「期限を守らないのは労働者を軽視している証拠だ」
「集計をしていない時点で再就職支援の意思がない」
「民間なら指導されることを自治体が怠るのは問題」
「離職者の生活を守る仕組みが機能していない」
「泥舟政権の下で地方自治体も人を使い捨てている」
「3年目公募」撤廃で改善の兆し
一方、改善点も見られる。非正規公務員の雇用を3年ごとに打ち切り、公募にかける「3年目公募」制度については、2023年6月の総務省通知で撤廃された。これにより、再任用回数に上限を設けない自治体は、昨年の22カ所(21%)から今年は65カ所(61%)に増加。制度改革が現場に一定の変化をもたらしていることが示された。
ただし、なお4割の自治体では上限が残されており、雇用不安の根源は完全には解消されていない。
「法の谷間」に置かれた非正規公務員
会見で「はむねっと」の瀬山紀子共同代表は「公務非正規は現在も法の谷間に置かれている。この国の人をどう雇うかに関わる問題だ」と指摘した。教育、福祉、行政サービスの現場を支える非正規職員が安定雇用を得られず、低賃金で不安定な立場に置かれている現実は、制度的欠陥を映し出している。
このまま改善が進まなければ、必要な人材確保も困難となり、住民サービスの低下や地域社会の持続性にも影響が及ぶ恐れがある。国や自治体が責任を持って制度を見直すかどうかが問われている。
雇用安定と処遇改善が急務
非正規公務員は学校司書や図書館職員、保育士、一般事務など多様な職務を担い、正規職員と同等の業務を行っている場合も多い。にもかかわらず、雇い止めや低賃金、再就職支援の欠如といった問題が繰り返されてきた。
行政の現場を支える労働者を「使い捨て」にするような制度は見直す必要がある。再就職支援の徹底、無期雇用への転換、同一労働同一賃金の実現が求められており、臨時国会でも取り上げられるべき課題だ。
この投稿は石破茂の公約「望まない非正規雇用をなくすとともに、リ・スキリングの経験豊富な就職氷河期世代の活躍の支援など雇用条件の改善」に関連する活動情報です。この公約は40点の得点で、公約偏差値50.2、達成率は0%と評価されています。