小泉農水相 コメ「作況指数」廃止

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小泉農水相 コメ「作況指数」廃止

小泉農水相が「作況指数」廃止を正式表明


6月16日、小泉進次郎農林水産大臣は、毎年公表されていたコメの「作況指数」を今後廃止する方針を正式に明らかにした。これまで農家や流通業者、消費者まで多くの関係者にとって、稲作の現状を判断するための基準とされてきたこの指標の廃止は、現場に大きな混乱と不安をもたらしている。

一方で、小泉農水相は、予想収穫量そのものの調査は継続するとし、統計そのものの破棄ではないことを強調した。しかし、長年親しまれてきた作況指数という“分かりやすい指標”を廃止する意味は小さくない。なぜ農水省はこのような判断に至ったのか。その背景と波紋を詳しく見ていく。

作況指数とは?数字に込められた意味


作況指数とは、農林水産省が毎年発表してきた統計指標で、「平年並み」の収穫量を100としたとき、その年の予想収穫量を相対的に示す数値である。例えば、作況指数が102であれば、平年より2%多い収穫が見込まれることを意味し、逆に98であれば2%の減収が予想されるということになる。

この数値は、天候、病害虫、日照不足、台風の影響など複数の要因を総合的に評価し、各県ごとに算出される。その結果は全国の農家、JA、流通業者、小売、さらには米価に敏感な飲食産業などにも共有され、価格設定や供給計画を立てる材料となってきた。

消費者にとっても、「今年は豊作か不作か」「米価が上がるのか下がるのか」といった情報を簡単に把握できる手段として、作況指数は一定の役割を果たしていた。

なぜ小泉大臣は廃止を決断したのか


小泉農水相は今回の廃止について、「農業経営が多様化し、単一の数値では現場の実情を反映できない」との理由を挙げている。つまり、もはや“全国一律の指標”が時代に合わなくなったというのが公式の説明だ。

確かに、近年ではコメを専業とする農家だけでなく、多角的な経営を行う農業法人や都市近郊の兼業農家も増えており、地域ごとの事情は一様ではない。また、稲作の収量が全国的に増減しても、価格への影響は必ずしも比例しない傾向もある。

だが、そうした背景を踏まえても、なぜ「作況指数」だけが廃止されるのかについては、納得しがたいという声が多い。実際、農水省内でも異論があったとされる。

「作況指数が“時代遅れ”というなら、他の農産物の指数も見直すべきでは?」
「現場の声を聞かずに廃止とは、あまりに一方的すぎる」
「収量予測は続けるのに、指数だけ消す意味が分からない」

こうした疑問に対して、小泉氏は「より柔軟な経営判断を促すため」としているが、数字を隠すことで本当に柔軟さが生まれるのか、という根本的な疑問が残る。

情報の透明性が農業政策の要だったはず


日本の農業政策は長らく、減反政策や価格統制といった政府主導の需給調整によって支えられてきた。作況指数はその象徴でもあり、食料自給率の低下が懸念されるなか、国民に対する「食の安定供給の見える化」の道具として重要な役割を果たしてきた。

しかし、その指標が廃止されれば、今後は政府が情報をコントロールしやすくなる一方で、民間側は“雲をつかむような判断”を迫られる可能性がある。実際、過去にも統計の恣意的な運用や隠蔽が問題となった事例は少なくない。

「数字を出さないというのは、国民に背を向けてるということ」
「また“実態隠し”が始まった」
「現場から遠ざかる政治は必ずツケを払う」

情報の公開は、政府と国民との信頼関係の要だ。それを自ら手放す今回の決定は、「小泉改革」の象徴として歓迎されるどころか、むしろ官僚的な“数値隠し”という批判を強める結果になっている。

「統制型農政の脱却」か「責任放棄」か


一方、小泉大臣に近い一部の政策関係者は、作況指数の廃止を「戦後農政からの脱却」や「自律的な農業経営の促進」と評価する。しかし、実際に困惑しているのは現場であり、廃止の先に見えるのは「自由化」ではなく「放置」である。

農業のように天候に左右される産業こそ、精度の高い情報と判断の支援が不可欠だ。それが欠ければ、生産の過剰や不足が激化し、価格の乱高下やフードロスが増えるだけでなく、長期的には農業離れが進む。

作況指数の廃止は、ただの「数字の削除」では済まない。食の安定供給を担う制度の根幹を揺るがす判断である。今こそ、情報公開と農政の信頼性について改めて問い直すべきときだ。

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2025-06-16 17:19:27(藤田)

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