2025-06-02 コメント投稿する ▼
政府備蓄米に価格差問題 小泉農相「返還申し出あれば対応」競争入札と随意契約に揺れる市場
備蓄米価格に大きな差 返還申し出には「適切に対応」
小泉進次郎農林水産大臣は、2日の参議院予算委員会で、過去に競争入札で高値落札された備蓄米について、業者側から「返還したい」という申し出があれば柔軟に対応する考えを示した。これは、公明党・三浦信祐議員の指摘を受けたもので、備蓄米の価格差が市場の混乱につながるのではないかという懸念が背景にある。
三浦氏は、従来の競争入札で60キロあたり2万円以上という高値で落札された備蓄米と、最近の随意契約で1万円前後の価格で売られた米の価格差が大きく、流通が滞る可能性を示唆した。その上で、政府が再度買い戻す選択肢があるのかを問うた。
これに対し、小泉大臣は、これまで返還の申し出はないとしたうえで、「仮に返したいという希望があれば、適切に対処し、活用方法を考えていきたい」と述べた。
価格差の背景に入札方式の違い
問題の根幹には、販売方式の変更がある。江藤拓前大臣のもとで行われた競争入札では、価格が市場に委ねられ、結果として高騰した。一方、小泉大臣に代わってからは、政府が価格を設定する随意契約方式に切り替えられ、価格は大幅に引き下げられた。
この変更により、落札時期によって価格に大きなばらつきが生じ、特に高値で落札した業者が損失を被る可能性が指摘されている。制度変更が急であったこともあり、事業者側の不満や混乱も少なくない。
流通実態と今後の懸念
三浦議員はまた、1回目から3回目までの競争入札で落札された備蓄米の大半、約95%がJA全農に渡っているものの、市場への流通量が見合っていないと指摘した。これに対し農水省は、全農が全量を取引先と契約し、順次出荷しているとの説明をしている。
ただ、実際の店頭での流通状況や、価格の影響など、現場レベルでは依然として課題が残る。小泉大臣も、「万一買い戻すことになった場合、どの程度の量になるか、対応可能かを慎重に見極める必要がある」とし、慎重姿勢を崩していない。
SNSでも賛否が交錯
この問題に対し、ネット上でも様々な意見が交わされている。
「業者が高値で落札して損をするのは理不尽。制度変更なら補償すべきでは?」
「農水省の見通しが甘かったのでは?混乱の責任はどこにあるのか」
「米価を安くするのは庶民にとってはありがたい。でも現場が混乱しているのは事実」
「随意契約にして透明性が下がるのはどうなのか」
「結局また税金で買い戻すの?二重コストでは?」
このように、価格の差異と流通実態の乖離に対して疑問や不信感を抱く声が目立つ。
農政への信頼回復が鍵
今回の備蓄米問題は、農政の意思決定のあり方や、価格政策の一貫性に対する信頼が問われている。今後、農水省としては、価格の整合性を図るとともに、現場の声を丁寧に吸い上げながら制度設計を見直していく必要がある。
価格差による市場混乱や業者の損失を最小限に抑えるためにも、再度の買い戻しを含めた柔軟な対応と、透明性の高い情報公開が求められている。