2025-06-01 コメント投稿する ▼
備蓄米の随意契約をめぐり与党内で対立激化 小泉進次郎農相「緊急事態には柔軟対応」
備蓄米の随意契約めぐり与党内で火花
小泉進次郎農林水産大臣は1日、政府が備蓄米を業者に随意契約で売却した対応について、「大臣の裁量の範囲で行ったもので、特段党の了承を得る必要はないと判断した」と話し、自らの判断が正当であると強調した。これは、自民党の野村哲郎元農水相が「党の農林部会に諮らずに進めたのはルール違反だ」と公の場で苦言を呈したことへの明確な反論とみられる。
小泉氏は、東京都内の小売店を視察した後、報道陣の質問に応じた。政府が備蓄米を緊急放出した背景には、国内の米価格の高騰や、流通在庫の偏在といった深刻な問題がある。小泉氏は「農林部会の了承を待っていては、5月末に店頭に並べることは不可能だった」として、迅速な対応の必要性を訴えた。
緊急時の判断に「裁量」か「逸脱」か
与党内では、政策決定の過程で農林部会などの内部協議を経るのが慣例となっているが、小泉氏は「元農林部会長としてルールは承知している。だが今回は特例的な判断だった」と説明。これに対し野村氏は、前日に鹿児島県で行われた党の会合で「随意契約を勝手に進めるのは、基本のルールを知らない証拠」と切り捨てた。
野村氏は、米の放出方針について古米・古古米といった品質面の判断も絡むため、党内での議論を経るべきだったと主張。こうした慎重論に対し、小泉氏は「緊急事態対応として最善を尽くした」と応酬した。
ネットでは賛否真っ二つ
SNS上では、この応酬にさまざまな声が寄せられている。
「自分で決めて発表して、結果として米が安く手に入るなら支持する」
「小泉氏の行動力は評価するが、独断専行には不安が残る」
「党の手続きよりも、生活者の視点を優先してくれてありがたい」
「野村氏の言い分もわかる。政党内の信頼関係って大事だと思う」
「こういう内部の権力争いが、国民の食卓を遠ざけるのでは?」
今回の件は、ルールの遵守と緊急時の柔軟な対応、そのバランスをどう取るかという本質的な課題を浮き彫りにしている。
今後の展望と問われる政治判断
備蓄米をめぐる政府の対応は、農業政策の信頼性や食料安定供給への影響をもたらす重要なテーマだ。小泉氏の判断が「迅速な危機対応」として評価されるか、「党内調整を軽視した独断」と批判されるかは今後の対応にかかっている。
野村氏のような保守本流の立場からの指摘も含め、今後は与党内でのルール見直しや、緊急対応と透明性の両立が求められるだろう。なにより、国民の生活を守るという原点に立ち返った政策運営が期待される。