2025-05-28 コメント投稿する ▼
「備蓄米は動物のエサ」発言が物議 玉木雄一郎氏と小泉進次郎農水相が対立、米価政策に波紋
玉木氏の「餌になる米」発言が波紋
国民民主党の玉木雄一郎代表が、政府が市場に放出しようとしている備蓄米について「あと1年経てば動物のエサになるようなものだ」と述べたことで、波紋が広がっている。この発言は5月28日に開かれた衆議院農林水産委員会でなされたもので、政府による米価安定策に対する批判の一環だった。
これに対して、農林水産相の小泉進次郎氏は記者団の前で、「米価の安定を目指して備蓄米の活用を進めている中で、あのような発言は正直残念だ」と苦言を呈した。政府としては、現在の価格高騰を抑えるために備蓄米の放出を進めており、タイミングとしてはデリケートな時期だった。
備蓄米は「古米」だが価値あり?
農水省によると、政府が保有する備蓄米には保存期間が定められており、5年を超えると市場向けではなく、飼料用や加工用として再利用されるのが通例だ。今回放出される30万トンもの備蓄米のうち、2021年・2022年産の米が中心で、一部にはすでに鮮度の落ちたものも含まれているとされる。
玉木氏の発言の背景には、「政府は市場で求められている銘柄米や高品質米ではなく、いわば価値の落ちた米を放出しているに過ぎない」という問題意識がある。彼は「消費者が本当に求めているのは安価なコシヒカリなどであり、単なる古米ではない」と指摘した。
「本音」と「表現」のギャップ
問題となった「動物のエサ」という表現について、玉木氏は同日夜、自身のSNSで「意図が誤解された」と釈明。「備蓄米の流通によって市場価格が大きく下がるとは考えにくい。古くなれば飼料用に回されるのが現実」と説明し、問題提起のつもりだったと語った。
一方で、政府与党側からは「消費者感情を逆なでするような言い回しは控えるべきだ」とする声もあり、国会内でも意見が分かれている。
ネット上の反応:賛否入り混じる
SNS上では、玉木氏の発言について賛否が交錯している。
「ちょっと言い過ぎ。でも言いたいことはわかる」
「古米の流通実態を知ってると、別に間違ってはいない」
「あんな言い方をしたら誤解されるに決まってる」
「備蓄米を飼料用に回すのは当然。でも消費者への説明が足りない」
「こういう議論が出るだけでもいい傾向」
備蓄米政策の今後と課題
今回の一連のやりとりを通じて明らかになったのは、備蓄米の扱いに対する政府と野党の認識のズレだ。価格安定のための市場介入であっても、品質や消費者ニーズに即した対応が伴わなければ、政策効果は限定的となる。
政府には、備蓄米の品質や使用用途に関する透明性の向上、消費者への丁寧な説明が求められる。一方、野党側にも、国民の信頼を得るためには慎重な言葉選びが必要となろう。