2025-05-28 コメント投稿する ▼
政府の備蓄米放出で4億円の損失見込み 小泉農水相「透明性とスピード重視」転売対策も焦点に
政府備蓄米の売却で約4億円の差損 小泉農水相「透明性を確保して対応」
政府が保有する備蓄米30万トンを市場に放出する方針をめぐり、小泉進次郎農林水産大臣は28日、国会の農水委員会での質疑の中で「売却価格と購入時の価格の差から、現時点で約4億円程度の差損が出る」と明かした。これは、昨今の米価格高騰への対応策の一環であり、随意契約による販売が進められている。
この件は、日本維新の会の前原誠司共同代表が質問する中で明らかになった。小泉大臣は「備蓄米は長期間倉庫に保管されており、その間に価値が下がっている。今後も家畜用飼料などとして低価格で売り出されることを考えれば、差損が出るのは避けられない」と説明し、国の財政への大きな影響は限定的との認識を示した。
米の転売や不公平な配分に懸念
前原氏は、備蓄米が一部の流通業者に偏って提供されることで、転売され市場価格が歪む可能性を指摘。「本当に必要とする人々に行き渡るのか。再販売されない保証はあるのか」と詰め寄った。
これに対し小泉大臣は、「全国一律に同じ量を配布するのは現実的ではない。スピードを重視しており、平等を重視しすぎるがあまりに機を逸するようなことがあってはならない」と述べたうえで、今後の契約においては大手ではなく、地域の中小スーパーや個人商店に優先的に供給する方針を明らかにした。
また、転売防止については「売却条件として“転売禁止”を明示するが、実効性のある監視方法は今後の検討課題」とし、抜本的な対策には至っていないことを認めた。
備蓄米政策の転換と政治的応酬
備蓄米の放出については、維新の吉村洋文代表(大阪府知事)が昨年夏から提案していた。前原氏は「半年も遅れてようやく実現した。しかも農協を通すだけで、国の介入はほぼ見えなかった」と政策の遅れを批判。その一方で、「小泉大臣が方向転換したことは評価したい」と期待感も示した。
小泉氏は同日の審議で、立憲民主党の野田佳彦代表、国民民主党の玉木雄一郎代表らとも激しく意見を交わしており、備蓄米を巡る政府の対応は今後も国会での重要な争点の一つとなる見通しだ。
SNS上の反応:公平性やスピード感に賛否
このニュースにはネット上でもさまざまな意見が上がっている。
「何で半年もかかったのか。もっと早く放出すべきだった」
「農協任せじゃ意味ない。地域の店にちゃんと届いてるの?」
「転売禁止って言っても、どうせ見逃されるだけでしょ」
「中小スーパーへの配分方針は歓迎。大手ばかりじゃ不公平」
「差損は気になるけど、それでも庶民の食卓を守るためなら必要経費かも」