2025-12-19 コメント投稿する ▼
沖縄PFAS汚染で米軍が基地内調査を全面拒否 県民健康より軍事機密優先、日米地位協定の壁
沖縄県内の米軍基地周辺で発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)が高濃度で検出されている問題で、防衛省は2024年12月19日、沖縄県による米軍基地内への立ち入り調査申請に対し、米軍側が「許可しない」と正式回答したことを明らかにしました。
日米地位協定の壁
沖縄PFAS汚染、米軍が基地内調査を全面拒否 県民の健康より軍事機密優先の実態
沖縄県内の米軍基地周辺で発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)が高濃度で検出されている問題で、防衛省は2024年12月19日、沖縄県による米軍基地内への立ち入り調査申請に対し、米軍側が「許可しない」と正式回答したことを明らかにしました。県は2016年6月以降4回にわたり調査を申請してきましたが、日米地位協定の壁に阻まれ、汚染源の特定が困難な状況が続いています。
防衛省によると、米軍側は立ち入りを許可しない理由として「サンプル調査の結果を日米双方が適切に評価することができる環境基準」と「米軍施設・区域が汚染源であることを示す科学的根拠が明確なサンプル調査のデータ」が示されていないことを挙げています。
米軍は「在日米軍としては、沖縄県による米軍施設・区域への立入りを許可しないとともに、米側による普天間飛行場の環境調査も行わないと判断した」との回答を示しており、積極的な汚染調査への協力を完全に拒否する姿勢を鮮明にしています。
「米軍が汚染の原因を作ったのに調査を拒否するなんて許せない」
「子どもたちの健康を考えたら一刻も早く調査すべきだ」
「日本の主権がないがしろにされている象徴的な問題」
「水は生活に直結する問題なのに米軍優先はおかしい」
「国連に訴えてでも解決してもらいたい」
深刻化するPFAS汚染の実態
PFASは「永遠の化学物質」とも呼ばれる有機フッ素化合物で、環境中で分解されにくく、人体に蓄積しやすい性質を持ちます。世界保健機関(WHO)の専門機関である国際がん研究機関(IARC)は、PFOAを「発がん性がある」、PFOSを「発がん性の可能性がある」と評価しています。
沖縄県の調査では、嘉手納基地、普天間飛行場、キャンプ・ハンセン周辺の河川や湧水から高濃度のPFASが継続的に検出されています。2024年1月の県発表では、46地点中33地点で国の暫定目標値(50ナノグラム/リットル)を超過し、最大濃度は普天間飛行場近くの湧水で目標値の44倍に達しました。
特に深刻なのは、約45万人に水道水を供給する北谷浄水場の問題です。嘉手納基地近くにあるこの浄水場では、目標値を超えた水源の取水を2022年度から停止せざるを得ない状況となっています。また、宜野湾市の「わかたけ児童公園」では、園内の池から高濃度のPFASが検出され、2020年6月に立ち入り禁止となる事態も発生しました。
米軍基地では航空機火災時の泡消火剤にPFOSを含む薬剤が長年使用されてきた経緯があり、これが主要な汚染源とされています。2020年4月には普天間飛行場で泡消火剤約14万リットルが流出し、基地外の河川に大量の泡が流れ出る事故も発生しています。
日米地位協定が阻む調査の実現
沖縄県が求める基地内調査が実現しない背景には、日米地位協定の存在があります。同協定第3条により、米軍基地では米軍が「排他的管理権」を持ち、米軍の許可なしには日本の総理大臣でも立ち入ることができません。
2015年に締結された環境補足協定では、「環境に影響を及ぼす事故(漏出)が現に発生した場合」などに限って立ち入りが認められますが、過去の汚染調査は対象外とされています。実際に立ち入り調査が認められたのは、2020年の泡消火剤流出事故を含めて2件のみです。
米軍は過去の汚染について「原状回復に向けた最初の作業」として調査を位置づけ、環境補足協定の対象外だと主張しています。これにより、現在も継続している高濃度のPFAS検出の原因究明が阻まれている状況です。
国際的な注目と政府の対応
この問題は国際的にも注目を集めており、2024年11月には国連の有害廃棄物特別報告者マルコス・A・オレリャーナ氏が沖縄を訪問し、PFAS汚染の実態を視察しました。オレリャーナ氏は「軍事施設とPFAS汚染の関連性は明らかだ」として、「汚染者負担の原則」の適用を求めています。
アメリカ本国では軍事基地でのPFAS汚染浄化が進められており、ドイツの米軍基地では軍の予算で地下水のPFAS浄化施設が稼働しています。しかし、在日米軍基地では同様の対応が取られておらず、日米間の対応格差が際立っています。
防衛省は今回の米軍回答を受けて「沖縄県が今般の米側回答を踏まえて改めて立入申請を行う場合には、更なる検討が円滑に行われるよう、外務省、環境省など関係省庁と連携し、可能な限り協力していく」としていますが、具体的な解決策は示されていません。
市民団体「宜野湾ちゅら水会」は政府要請行動を続けており、今後は米国への直接働きかけも検討しています。玉城デニー知事も「汚染源の究明や浄化などの抜本的な対策をまず行っていただく必要がある」と述べ、米軍の積極的な対応を求めています。
沖縄県民の健康と安全な水の確保が、日米地位協定の制約によって脅かされている現状は、日本の主権と住民の人権に関わる重大な問題として、今後も国際的な注目を集めることになりそうです。