2025-12-18 コメント投稿する ▼
横須賀で日米原子力防災訓練 原子力空母乗組員の汚染想定
訓練は、メンテナンス作業中に設備から流出した微量の放射性物質を含む水が乗組員の手に付着したとの想定で行われ、日米双方の関係機関が対応手順を確認しました。 米海軍は原子力空母の安全性を強調していますが、万一の事態に備える責任が日米双方にあることは変わりません。 今回の訓練では、放射線量が微量であるとの想定でしたが、放射性物質という言葉自体が市民に不安を与える側面があります。
横須賀で日米合同の原子力防災訓練 原子力空母を想定
神奈川県横須賀市と米海軍は2025年12月18日、横須賀基地を拠点とする原子力空母ジョージ・ワシントンを想定した日米合同の原子力防災訓練を実施しました。訓練は、メンテナンス作業中に設備から流出した微量の放射性物質を含む水が乗組員の手に付着したとの想定で行われ、日米双方の関係機関が対応手順を確認しました。
この訓練は2007年から毎年実施されており、今回で18回目となります。外務省や在日米国大使館、横須賀市、米海軍など10機関が参加し、参加者は約230人に上りました。原子力艦船を抱える港湾都市として、万一に備えた対応力を維持することが目的です。
「訓練とはいえ、実際に起きたらと思うと不安になる」
「毎年やっているなら、情報公開ももっと丁寧にしてほしい」
「事故を想定して連携を確認するのは大事だと思う」
「原子力空母がいる以上、こうした訓練は必要だ」
「市民への説明がどこまで届いているのか気になる」
事故発生を想定した通報と搬送の流れ
訓練は午前9時半ごろに始まり、米海軍第7潜水艦群司令官リンカーン・ライフスティック少将が、横須賀市の上地克明市長に対し、事故発生を想定した電話連絡を行いました。内容は、原子力空母のメンテナンス中に放射性物質を含む水が乗組員の手に付着し、同時に胸の痛みを訴えているという想定です。
手が汚染されたとされる乗組員は、まず米海軍病院に搬送され、布で手を拭き取るなどの初期対応が取られました。その後、より詳しい検査を行うため、日本側の医療機関である横須賀共済病院へ移送する流れが確認されました。訓練では、日米間の情報共有や医療機関同士の連携手順が重点的に確認されました。
原子力に関わる事故は、初動対応の遅れが不安や混乱を拡大させるおそれがあります。そのため、通報から搬送、医療対応までの一連の流れを実際の時間軸に沿って確認することに意味があります。
原子力空母と横須賀の現実
横須賀基地には原子力空母が配備されており、市民生活と隣り合わせで運用されています。米海軍は原子力空母の安全性を強調していますが、万一の事態に備える責任が日米双方にあることは変わりません。訓練が繰り返し行われている背景には、こうした地域特性があります。
今回の訓練では、放射線量が微量であるとの想定でしたが、放射性物質という言葉自体が市民に不安を与える側面があります。自治体としては、訓練内容や結果を分かりやすく説明し、住民の理解を得る努力が欠かせません。形式的な訓練に終わらせず、実効性を高めることが求められます。
また、原子力艦船を巡っては、事故発生時の責任の所在や情報公開の在り方がこれまでも課題とされてきました。今回の訓練は、そうした課題を再確認する場でもありました。
継続訓練と情報共有が課題
日米合同の原子力防災訓練は、関係機関の連携を保つうえで重要ですが、市民との距離があるとの指摘もあります。訓練の存在を知っていても、具体的にどのような対応が取られるのか理解している住民は多くありません。
今後は、訓練の内容や成果を市民に丁寧に伝える工夫が求められます。原子力空母が寄港し続ける以上、リスクをゼロにすることはできません。だからこそ、想定を重ね、備えを積み上げることが安全確保につながります。
今回の訓練は、日米の安全保障協力の一側面であると同時に、地域の安全をどう守るかという課題を改めて浮き彫りにしました。訓練を通じて得られた教訓を、実際の危機対応に生かせるかが問われています。