2025-12-02 コメント投稿する ▼
小泉防衛相が宇宙作戦群視察、GPS妨害への懸念で防衛力強化訴え
小泉進次郎防衛相は12月2日、航空自衛隊府中基地を訪れ、宇宙空間の監視を担う「宇宙作戦群」を視察しました。 続いて2026年度には最終的な目標である「宇宙作戦集団」を新設し、将官を指揮官として隷下に宇宙作戦団、宇宙作戦指揮群、宇宙作戦情報隊を置く予定です。
宇宙領域の脅威拡大、民生・軍事両面で重要性強調
小泉防衛相は視察後の記者会見で「宇宙空間の安定的利用の確保は、国民生活の基盤を維持する上で必要不可欠だ」と強調しました。他国による衛星妨害技術の開発が進んでいることに言及し、「仮に妨害されれば、衛星利用測位システム(GPS)も使えない」と警告しました。携帯電話やカーナビなど身近なサービスを例に挙げ、「宇宙は軍事だけでなく、民生においても極めて重要な領域だ」と述べ、宇宙防衛体制の強化に意欲を示しています。
宇宙作戦群は2022年3月に航空自衛隊府中基地で新編された防衛大臣直轄部隊です。前身の宇宙作戦隊から発展し、現在は約310人規模で運営されています。主な任務は、スペースデブリや他国の人工衛星が日本の人工衛星に与える脅威を監視する「宇宙状況把握(SSA)」です。
「GPSが使えなくなったら生活できない」
「宇宙防衛なんて必要なのか」
「日本の衛星も狙われているのか」
「防衛費がまた増えそうで心配」
「技術開発が進んでいるのは心強い」
2026年度に航空宇宙自衛隊へ、組織改編を段階的に実施
防衛省は宇宙領域での対処力強化を目的として、2026年度に空自を「航空宇宙自衛隊」に改編する方針です。これは1954年の創設以来、陸海空3自衛隊で初めての名称変更となります。
組織改編は段階的に進められ、まず2025年度中に宇宙作戦群を「宇宙作戦団」に格上げし、将補を指揮官とする320人規模に増員します。続いて2026年度には最終的な目標である「宇宙作戦集団」を新設し、将官を指揮官として隷下に宇宙作戦団、宇宙作戦指揮群、宇宙作戦情報隊を置く予定です。
現在の宇宙作戦群は群本部のほか、衛星監視用レーダー(SSAレーダー)を運用する第1宇宙作戦隊、衛星に対する電波妨害を監視する第2宇宙作戦隊、装備の維持管理を担う宇宙システム管理隊で構成されています。
高度3万6000キロまで監視、米軍と連携強化
宇宙作戦群は2023年3月から本格的な宇宙状況監視を開始しています。山口県山陽小野田市に建設されたSSAレーダーは、高度3万6000キロメートルの静止軌道まで電波が届く国内初の大型レーダーシステムです。
このレーダーにより、第1宇宙作戦隊は高度5800キロメートル以遠の宇宙空間を監視し、それより近いニアアース領域はJAXAが担当する分担体制が構築されています。観測データは両機関で共有され、包括的な宇宙監視網を形成しています。
さらに、2026年度からは衛星監視用の静止衛星(SDA衛星)の運用を開始し、宇宙空間監視用のレーザー測距装置も導入する予定です。これらの新装備により、地上と宇宙の両方から多層的な監視体制を確立します。
米軍との協力深化、宇宙版日米同盟を構築
宇宙作戦群の活動は米軍との連携が重要な要素となっています。米宇宙軍は宇宙作戦隊の発足時から「重要な宇宙資産を共同で守るために、強力なパートナーシップをさらに強化することを楽しみにしている」と歓迎の意を表明していました。
自衛隊のSSA活動は、米軍が主導する地球規模の宇宙監視網の一翼を担っています。宇宙作戦群は米軍主催の教育システムや演習への参加を通じて部隊能力を向上させており、実質的な「宇宙版日米同盟」が形成されています。
小泉防衛相は視察で「他国の衛星を妨害、無力化する技術開発も活発化している」と指摘し、警戒・監視能力の向上に継続して取り組む意向を示しました。宇宙領域の軍事化が進む中、日本の宇宙防衛体制の強化は待ったなしの状況となっています。