2025-10-29 コメント投稿する ▼
小泉防衛相とヘグセス米国防長官が初会談、防衛費増額めぐり駆け引き
トランプ米大統領の訪日に伴う日米首脳会談の翌日に行われたこの会談では、日本の防衛費増額が最大の焦点となっていましたが、米側から具体的な数値要求はなかったとされています。 小泉防衛相は会談で、防衛費の対国内総生産比2パーセントへの引き上げ目標を2027年度から2025年度中に2年前倒しで実現する方針を伝えました。
小泉防衛相は会談で、防衛費の対国内総生産比2パーセントへの引き上げ目標を2027年度から2025年度中に2年前倒しで実現する方針を伝えました。また、国家安全保障戦略など安全保障関連3文書の改定を前倒しで検討していることも説明しました。
会談後の共同記者会見でヘグセス氏は、日本の防衛力強化への取り組みについて「大きな一歩だ。速やかに実行されることを期待している」と評価しました。また具体的な数値目標については「日本に何か要求したことはない」と述べました。
高市早苗首相は前日の28日、トランプ大統領との初の日米首脳会談で防衛力の強化や防衛費の増額に取り組む方針を伝えていました。首相は会談後、防衛費について「特に数字を念頭に置いたやりとりはなかった」と説明しました。
「防衛費2パーセントに前倒しって、結局アメリカの圧力じゃん」
「数字の話がなかったって本当かな。裏では色々要求されてるでしょ」
「NATOが5パーセントになったし、日本もそのうち要求されそう」
「防衛力強化は必要だけど、財源はどうするの。増税はやめてほしい」
「アメリカに言われる前に自分たちで決めるべきだった」
しかし防衛省幹部や外交関係者の間では警戒感が広がっています。ある外相経験者は「新たな要求は担当閣僚協議で出るかもしれない」と指摘しました。防衛省幹部からも「サプライズはないだろう」との見方が大半を占める一方、「想定外の要求がないか終わるまで安心はできない」との声が上がっています。
NATO加盟国の5パーセント目標が影を落とす
日本政府が警戒する背景には、2025年6月に北大西洋条約機構が決定した新たな防衛費目標があります。NATO加盟国は2035年までに防衛費を対GDP比5パーセントに引き上げることで合意しました。このうち中核的な防衛費が3.5パーセント、サイバーセキュリティやインフラ整備などの関連支出が1.5パーセントとされています。
トランプ政権はNATO加盟国にこの水準を求めただけでなく、アジアの同盟国にも同様の負担を要求する姿勢を示しています。米国防総省の報道官は「アジア太平洋の同盟国が欧州の水準に追い付くよう行動するのは当然だ」と主張しました。
日本の防衛費は2025年度当初予算で関連経費を含めて対GDP比1.8パーセントとなっています。政府は当初、2027年度までに2パーセントを達成する計画でしたが、トランプ政権の圧力を見越して2年前倒しする方針を打ち出しました。
財源問題が深刻化する懸念
防衛費の増額には財源の確保が不可欠です。政府は2025年度補正予算で約1.3兆円を積み増して2パーセント水準を達成する見通しですが、恒久的な財源は確保されていません。
岸田前政権は防衛費増額の財源として法人税、たばこ税、所得税の増税で約1兆円を賄う方針を示していました。しかし自民党内の反対で増税は実現せず、財源不足のまま防衛費だけが増額される状況が続いています。
高市首相は「責任ある積極財政」を掲げていますが、防衛費をさらに増額する場合、財源確保はより困難になります。仮に対GDP比5パーセントへの引き上げを求められた場合、現在の水準から約10兆円の追加予算が必要になる計算です。
物価高対策と防衛費増額の板挟み
国民の間では物価高対策を求める声が強まっています。2024年10月の参議院選挙では減税を訴える政党が支持を集め、国民が示した民意は明確に「減税」でした。しかし高市政権は防衛費増額を優先する姿勢を見せており、国民の期待とのずれが生じています。
防衛費の増額は安全保障上の必要性から避けられない面があります。中国の軍事力増強、北朝鮮の核・ミサイル開発、ロシアとの軍事協力など、日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しています。
しかし財政出動や減税による物価高対策は一刻の猶予も許されません。数十年に渡る自民党の失策によって引き起こされた現在の物価高に対し、国民は即効性のある対策を求めています。防衛費増額と物価高対策の両立が、高市政権の最大の課題となっています。
小泉防衛相は会談で「あらゆる選択肢を排除せず検討する」と述べ、防衛力強化への決意を示しました。日米同盟の抑止力を高めるためには日本の主体的な取り組みが不可欠ですが、国民生活を圧迫しない形での実現が求められています。
 
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
                    