2025-09-28 コメント: 1件 ▼
小泉進次郎、ステマ問題で高校生に具体策示せず批判
進次郎氏自身は「知らなかった」と主張しつつも、その責任を否定せず、「私の責任」と説明している。 進次郎氏は「言論の自由を尊重する」と繰り返すだけではなく、**制度設計・透明性・運用ルール**を具体的に示すことが不可欠である。 今回の討論会での小泉氏の答弁は、責任を認める姿勢を示しつつも、政治家に求められる「説明の具体性」には届かなかった。
高校生が直球質問「民主主義をどう守るのか」
小泉進次郎=現職農林水産大臣・自民党総裁候補(44)は2025年9月28日夜、ニコニコ動画で配信された「総裁候補 vs 中高生『日本の未来』討論会」に出席し、陣営で起きた“ステルスマーケティング(ステマ)指示問題”について高校生の質問に答えた場面で、具体性を欠く説明となり、批判を浴びた。
討論会には約30人の中高生が参加し、質問は指名方式で行われた。高校3年生の男子生徒は、今回のステマ指示問題を「言論の自由」や「選挙の公正さ」にかかわる重大事案と位置付け、こう問い掛けた。「今後の政治活動において、民主主義と言論の自由をどう守っていくのか」。この質問は、単なる批判を超え、制度論を問うものであった。
小泉進次郎の回答は責任説明に終始
進次郎氏は冒頭、陣営側の説明と対応策を語った。本人の申し出を受けて、広報班長を辞任した牧島かれん元デジタル相に関して「最終的には私の責任」としたうえで、再発防止を陣営内部で徹底する旨を主張した。さらに、後半には「言論の自由、表現の自由は尊重されるべきであり、規制は最小限であるべきだ」という立場を示したものの、具体的な制度設計や監視体制に関する言及はなかった。
進次郎氏の回答後、視聴者からは批判的コメントが相次いだ。
「答えになっていない」
「同じことの繰り返し」
「問題をすり替えてる」
「もっと具体策を聞きたい」
「学生にも信頼を示してほしい」
こうした反応が示すのは、「説明責任」と「未来への納得感」を求める若年層との溝である。
ネット世論が映す若者の厳しい視線
自民党総裁選を巡って、進次郎氏陣営がネット上で好意的コメントを投稿するよう、陣営関係者に呼びかけていた事実が報じられた。特に、牧島かれん氏の事務所がメールでコメント例を示していたとされ、他候補への中傷表現も含む例文が含まれていたと伝えられている。陣営は後に「行き過ぎがあった」と謝罪した。
進次郎氏自身は「知らなかった」と主張しつつも、その責任を否定せず、「私の責任」と説明している。ただ、この「認めつつも詳細を語らない」対応は、政治責任の所在を曖昧にするとの批判も出ている。今回の問題は単なる選挙戦術の是非を超えて、ネット言論空間における操作可能性と、政治的メッセージの信頼性を問う事案となっている。
問われる具体策と政治への信頼回復
討論会でのやり取りは、若年層の政治意識の高さを映す鏡ともなった。単なる「若者ウケ」ではなく、将来の有権者が政治に求める論理性と説明責任である。進次郎氏は「言論の自由を尊重する」と繰り返すだけではなく、制度設計・透明性・運用ルールを具体的に示すことが不可欠である。
今後の論点は、選挙運動におけるネット操作へのガイドライン整備、運営者による監視・公開報告制度、違反行為に対する法的・党規制的制裁をどう設けるかである。これらを提示しなければ、信頼回復は難しい。
今回の討論会での小泉氏の答弁は、責任を認める姿勢を示しつつも、政治家に求められる「説明の具体性」には届かなかった。総裁選を戦う候補者にとって、若者の問いは単なる一場面ではなく、政治の将来像を試される問い掛けとなった。